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中日新聞掲載の大学記事

2017.03.28

遺伝子 狙い通り書き換え 品種改良に応用期待 名城大など

■イネ 除草剤に強く トマト 受粉せず実る

 遺伝子を狙い通りに書き換える「ゲノム編集」によって、イネやトマトの性質を変えることに成功したと名城大や神戸大などのチームが27日付の英科学誌電子版に発表した。品種改良への応用が期待される。

 実験では、神戸大のグループが開発したゲノム編集技術を使用。DNAを書き換えられる特殊な酵素を、細菌を使ってイネの細胞に入れると、DNA配列を狙い通りに変化させ、除草剤に強いイネを作ることができた。ほかにも、同時に3つの遺伝子を書き換えることにも成功した。

 トマトでは同じ手法で遺伝子を変え、受粉しなくても実がなるトマトを作ることができた。変化したDNA配列が次世代にも受け継がれることも確認された。

 チームは今後、収穫量の多いイネや栄養価の高いトマトの開発などに取り組みたい考え。寺田理枝・名城大教授は「ゲノム編集を使えば、掛け合わせでは10年以上かかる品種改良が、1、2年で可能になる」とコメントした。

(2017年3月28日 中日新聞朝刊4面より)
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