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中日新聞掲載の大学記事

2016.12.22

挑戦3度 夢のプロへ 女子野球「兵庫ディオーネ」合格

■堀田ありさ投手(関出身、至学館大短期大学部)

 関市出身で、至学館大短期大学部(愛知県大府市)女子硬式野球部2年の堀田ありさ投手(19)が、女子プロ野球の入団テストに合格した。3度目の挑戦で、中学生の頃から抱いた夢をようやくかなえた。「自分のプレーで女の子に夢をあげたい」と意気込んでいる。(鈴木凜平)

 野球を始めたのは小学1年の時。友達の父親に誘われ、地元の田原スポーツ少年団に入った。周りは男子ばかりだったが、大柄で体を動かすのが好きだったため、すぐ野球にのめり込んだ。桜ケ丘中では、野球部初の女子部員として入部した。

 2年生になった2010年、女子プロ野球が開幕した。「自分も野球を続けたい」と憧れたが当時、県内に女子野球部は無かった。「県外にはあったけれど、親に負担をかけたくなかった」と堀田さん。関商工高校ではソフトボール部に入ったが、部活以外の時間で投球練習をした。

 3年で初めて入団テストを受けたが、不合格。就職しようか悩んでいた時、偶然、至学館大の女子硬式野球部のホームページが目に留まった。実際に練習を見学しに行くと、部員たちは厳しい練習を楽しそうにこなしていた。「大学に進学してもう一度、プロに挑みたい」と決意した。

 1人暮らしを始め、生活費がかかるようになった。実家の負担を少しでも減らそうと、バイトもした。朝から大学の講義を受け、午後4時半から練習。午後9時に終わると、同10時から4時間、居酒屋でアルバイトした。「帰ったら寝るだけの生活。でも野球が好きだからつらくなかった」と振り返る。

 昨年10月、公式戦で初めてプロと対戦した。「どんな球を投げても打たれた」とレベルの高さを痛感したものの、「もっとうまくなりたい」と逆に闘志が湧いた。今年8月に2度目のテストを受けたが、不合格だった。来春には卒業を控えている。「これで落ちたら、就職する」と決めて臨んだ今年最後の10月のテストで、ついにプロへの切符を得た。

 投手でありながら、長打力も売り。公式戦では毎試合のように長打を放ってきた。入団が決まった兵庫ディオーネは今年、年間優勝した強豪だけに「まずは1年目でマウンドに上がることが目標」と言う。ずっとプロを夢見ていただけに、早くも、もっと先を見据えてもいる。「もっと女子野球を盛り上げて、後に続く子を増やしたい」

(2016年12月22日 中日新聞朝刊岐阜版より)

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