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中日新聞掲載の大学記事

2016.10.09

東海地区大学野球 岐阜学生リーグ ドラフト候補がアピール! 吉川 中京学院大 右手首負傷も意地打

 ドラフト1位候補の中京学院大・吉川尚輝遊撃手(4年、岐阜・中京)は8日、東海地区大学野球岐阜学生リーグで中部学院大との1回戦にスタメン出場。延長10回に右前打を放つなど意地を見せた。試合は延長11回の末、2−1でサヨナラ勝ち。すでに優勝を決めている中部学院大は、同じくドラフト候補の先発左腕・床田寛樹投手(4年・箕面学園)が13安打を浴びながら粘投し、スカウトにアピールした。

■5打席目で初H

 なんとか塁に出たい。中京学院大・吉川の思いが乗り移った打球が、右前に弾んだ。10回1死。チェンジアップに食らい付き、この試合5打席目で初のヒット。「どうにかしたくて死に物狂いだった。毎回のチャンスで凡退していたから」

 捕逸で二塁へ進み、チャンスを広げたが、得点できず、11回に藤岡の左越え適時打でサヨナラ勝ち。「自分が打てていれば、もっと早くに点が取れて楽な展開になったかも」と吉川は悔やんだが、実は万全の状態ではない。6日の打撃練習でエース柳川が投げたボールが右手首を直撃。全治10日と診断されたが、どうしても出たかった。

 「ここで勝たないと本当にもう終わってしまう状態だから」。明治神宮大会につながる東海地区秋季選手権は上位2チームが出場できるが、すでに中部学院大がリーグ優勝を決めた。今カードで勝ち点を取れば2位、取れなければ岐阜経大が2位となる。「自分が出なければみんなの士気が下がるかもしれない」。近藤正監督(67)に嘆願し、手首にテーピングを巻いて出場した。

 ドラフト会議を20日に控え、ネット裏には巨人以外の11球団17人のスカウトが集まり、広島は4人体制で視察。注目の的となったが、今は目の前の1戦に集中したい。「4年間ずっとやってきて春に日本一という最高の結果になった。ここで負けるのは嫌」。もう一度、全国の舞台に立つまで負けられない。 (平野梓)

■床田 自己最速更新148キロ 中部学院大 球威とスタミナで名乗り

 試合には敗れたが、アピールには成功した。中部学院大の床田が自己最速を1キロ更新する148キロを9回、108球目にマーク。11球団のスカウトに球威とスタミナを見せつけ、ドラフト戦線に名乗りを上げた。

 「初回から真っすぐは走っていた。安打は打たれたけど、要所を締められた。良かったです」

 相手は春の大学日本一に輝いた中京学院大。ドラフト1位候補の吉川もいる。原克隆監督(47)が「最終試験」と話した通り、当落線上の左腕にとっては格好の相手だ。吉川との対決は5打数1安打。初回には146キロのストレートで見逃し三振に仕留めた。「決めにいった球だった」。狙い通りの三振に胸を張った。

 中日、阪神など8球団から調査書が届いている。視察した広島・川端編成部長は「春から伸びているし、まだまだ伸びる。今年は左腕の候補が少ない。(各球団の評価が)繰り上がるのでは」と好印象。床田も「プロに行けたら一番いい。ドキドキして待ちます」と手応えをつかんだ様子だった。 (麻生和男)

 ▼床田寛樹(とこた・ひろき) 1995(平成7)年3月1日生まれ、兵庫県尼崎市出身の21歳。182センチ、74キロ、左投げ左打ち。小学1年の時に園田南キッドで野球を始め、中学時代は兵庫スターズに所属。箕面学園高では1年秋からベンチ入りし、2年夏からエース。3年夏は3回戦敗退。中部学院大では1年春からリーグ戦に登板し、1年秋、2年秋に明治神宮大会に出場。

▽1回戦(長良川)
中部学院大 00000000100―1
中京学院大 00000010001―2
(延長11回)
(部)床田−加藤、高杯
(京)柳川、市川、長島啓−山崎

(2016年10月9日 中日スポーツ11面より)
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