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2008.04.29
小川痛ぁ〜 逆転さよなら被弾
愛院大・小川優投手(2年・東濃実)の入学以来続けてきたリーグ戦連勝記録が「16」で止まった。勝利目前だった9回2死、愛産大・三浦卓治三塁手(2年・新居浜東)に逆転サヨナラ3ランを浴びた。3−5で敗れた愛院大は、開幕から3カード目で初めて勝ち点を落とし、首位から滑り落ちた。中部大は名商大に3−1で競り勝ち、勝ち点3で単独首位。小笠原広紀投手(3年・名古屋国際)が、完投で今季3勝目をマークした。
入学以来の連勝『16』で止まる
痛恨の一発を浴びて、“負けないエース”が沈んだ。大学入学から続けてきた連勝がついに止まった。逆転サヨナラ3ランの打球が左翼席で弾むのを見届けた愛院大・小川はマウンド上で座り込む。沸き返る愛産大の選手との鮮やか過ぎる明暗。小川はそのまましばらく動かなかった。
「スライダーが抜けて高くなった。投げた瞬間まずい…と思った」
自身のリーグ戦連勝記録を「17」に伸ばす勝利のシナリオが崩れた。3−2の1点差逃げ切り寸前だった9回2死一、二塁。スライダーを空振りさせて三浦をカウント2−0とし、ウイニングショットになるはずの3球目だった。大学の公式戦で初めて許した本塁打に、試合後も強いショックから立ち直れない。
「(自らの)連勝より試合を最後にぶち壊してしまった。3戦目を任されたのに…」と小川は悔やんだ。「残り試合は本当に負けられない」と口元を引き締めたが、気持ちの整理は「落ち着いてから考えたい」と、青ざめた表情のままだ。
スーパールーキーと騒がれた昨年のような安定感がない今季。この日も4回まで毎回走者を出し、2点を先制してもらいながら、4回に同点にされた。本調子でないのをエースの意地で隠そうとしたのか、9回はストレートを求める捕手のサインに首を振りスライダーを投げ続けた。そのスライダーを痛打された。
頼みのエース・小川で敗れ、今季初めて勝ち点を落とした愛院大は2位に転落。田中洋監督(37)は「(逆転サヨナラ負けは)信じられないが、小川は責められない。(連勝)記録が途切れて逆に吹っ切れるでしょう」と、傷ついた2年生エースを思いやる。リーグ戦4連覇に向けて、再び立ち上がれるか。小川の真価が試される。 (田中一正)
殊勲の3ラン 愛産大・三浦
愛院大・小川の連勝を止めるサヨナラ逆転3ランを放った愛産大・三浦は感激。
「自分で(試合を)終わるわけにはいかない気持ちだった。打った瞬間に入ったと思った。打ちにくい投手から打ててうれしい」。小川のスライダーにまったくタイミングが合っていなかったが、抜けて真ん中に入ってきた球を見逃さなかった。低めの球を捨てるという小川攻略の策が最後に実っての大金星に、社会人野球の一光(愛知)出身で、今春就任の青山監督は「すごい選手たち。あきらめずによくやってくれた」と声を弾ませた。
鉄腕!!1失点完投 中部大・小笠原
中部大は単独首位に立った。小笠原が名商大打線を1失点に抑えて完投勝利。このカードの1回戦で完投勝ち、2回戦目は救援で敗戦投手になり、この日は3連投。
「肩のスタミナがあってどんなに投げても故障しないのが取り柄。きのう(27日)負けても、3戦目の先発を意気に感じて気持ちを切り替えました」と笑顔。善久監督は「開幕から無傷の勝ち点3は初めてじゃないかな。負けた次の日に接戦をしのいで勝てたのは大きい」と喜んだ。
▽3回戦(愛産大2勝1敗)
愛院大 200001000―3
愛産大 000200003―5
▽3回戦(中部大2勝1敗)
中部大 110000010―3
名商大 000000010―1
(2008年4月29日 中日スポーツ10面より)
入学以来の連勝『16』で止まる
痛恨の一発を浴びて、“負けないエース”が沈んだ。大学入学から続けてきた連勝がついに止まった。逆転サヨナラ3ランの打球が左翼席で弾むのを見届けた愛院大・小川はマウンド上で座り込む。沸き返る愛産大の選手との鮮やか過ぎる明暗。小川はそのまましばらく動かなかった。
「スライダーが抜けて高くなった。投げた瞬間まずい…と思った」
自身のリーグ戦連勝記録を「17」に伸ばす勝利のシナリオが崩れた。3−2の1点差逃げ切り寸前だった9回2死一、二塁。スライダーを空振りさせて三浦をカウント2−0とし、ウイニングショットになるはずの3球目だった。大学の公式戦で初めて許した本塁打に、試合後も強いショックから立ち直れない。
「(自らの)連勝より試合を最後にぶち壊してしまった。3戦目を任されたのに…」と小川は悔やんだ。「残り試合は本当に負けられない」と口元を引き締めたが、気持ちの整理は「落ち着いてから考えたい」と、青ざめた表情のままだ。
スーパールーキーと騒がれた昨年のような安定感がない今季。この日も4回まで毎回走者を出し、2点を先制してもらいながら、4回に同点にされた。本調子でないのをエースの意地で隠そうとしたのか、9回はストレートを求める捕手のサインに首を振りスライダーを投げ続けた。そのスライダーを痛打された。
頼みのエース・小川で敗れ、今季初めて勝ち点を落とした愛院大は2位に転落。田中洋監督(37)は「(逆転サヨナラ負けは)信じられないが、小川は責められない。(連勝)記録が途切れて逆に吹っ切れるでしょう」と、傷ついた2年生エースを思いやる。リーグ戦4連覇に向けて、再び立ち上がれるか。小川の真価が試される。 (田中一正)
殊勲の3ラン 愛産大・三浦
愛院大・小川の連勝を止めるサヨナラ逆転3ランを放った愛産大・三浦は感激。
「自分で(試合を)終わるわけにはいかない気持ちだった。打った瞬間に入ったと思った。打ちにくい投手から打ててうれしい」。小川のスライダーにまったくタイミングが合っていなかったが、抜けて真ん中に入ってきた球を見逃さなかった。低めの球を捨てるという小川攻略の策が最後に実っての大金星に、社会人野球の一光(愛知)出身で、今春就任の青山監督は「すごい選手たち。あきらめずによくやってくれた」と声を弾ませた。
鉄腕!!1失点完投 中部大・小笠原
中部大は単独首位に立った。小笠原が名商大打線を1失点に抑えて完投勝利。このカードの1回戦で完投勝ち、2回戦目は救援で敗戦投手になり、この日は3連投。
「肩のスタミナがあってどんなに投げても故障しないのが取り柄。きのう(27日)負けても、3戦目の先発を意気に感じて気持ちを切り替えました」と笑顔。善久監督は「開幕から無傷の勝ち点3は初めてじゃないかな。負けた次の日に接戦をしのいで勝てたのは大きい」と喜んだ。
▽3回戦(愛産大2勝1敗)
愛院大 200001000―3
愛産大 000200003―5
▽3回戦(中部大2勝1敗)
中部大 110000010―3
名商大 000000010―1
(2008年4月29日 中日スポーツ10面より)