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2016.03.08
すごろく、ビンゴで防災学習 一宮のNPOと名芸大生開発
子どもたちが遊びを通じて防災を学べるすごろくやビンゴを、一宮市のNPOと名古屋芸大(北名古屋市)の学生が共同開発した。楽しみながら災害時の注意点を知ってもらうとともに、東日本大震災から5年がたって薄れつつある防災意識を再び高めるきっかけにすることが狙いだ。(井上峻輔)
名古屋を模して描かれた街の中のマスを、人形のコマが進んでいく。サイコロに従って進むたびに出題カードを1枚引く。「お風呂の水はいざというときのために浴槽いっぱいにためておくと良い。○か×か」
水が多すぎると重みで浴槽が倒れる危険があるので、答えは「×」。正解するとさらに1マス進めるのが、このすごろくの特徴だ。ゴールを目指しながら、防災の知識を増やすことができる。
防災ゲームを作ったのは名古屋芸大メディアコミュニケーションデザインコースの2年生18人。昨年10月、東海3県で防災教育に取り組むNPO「高齢者住まいる研究会」から開発の依頼を受けた。
ゲームは全部で3種類。すごろくのほかに、備蓄品について学べるビンゴと災害時の行動などを描いた飛び出す絵本がある。
学生たちに防災の知識はなく、ゼロからのスタートだった。「間違ったことは教えられないのでプレッシャーがあった」とすごろくを担当した長嶺知代実さん(21)は語る。
本やインターネットで勉強を重ねながら、ゲームをデザインしていった。すごろくのコマやサイコロは角を落としたり軟らかい素材を使ったりして、子どもが安全に遊べるように工夫したという。
2月末に大学で最終発表会があり、学生がNPO関係者に作品を渡した。「予想以上の出来で驚いた」とNPO代表の寺西貞昭さん(49)。「大勢の人に使ってもらって、一人でも多くの命を守るために役立てていきたい」と話す。
11日で東日本大震災から5年。ビンゴを担当した野沢香枝さん(21)は「危機感が薄れてきている人も多いと思う。ゲームで遊ぶことを機に、防災について考えてもらえれば」と願っていた。
(2016年3月8日 中日新聞朝刊尾張版より)
名古屋を模して描かれた街の中のマスを、人形のコマが進んでいく。サイコロに従って進むたびに出題カードを1枚引く。「お風呂の水はいざというときのために浴槽いっぱいにためておくと良い。○か×か」
水が多すぎると重みで浴槽が倒れる危険があるので、答えは「×」。正解するとさらに1マス進めるのが、このすごろくの特徴だ。ゴールを目指しながら、防災の知識を増やすことができる。
防災ゲームを作ったのは名古屋芸大メディアコミュニケーションデザインコースの2年生18人。昨年10月、東海3県で防災教育に取り組むNPO「高齢者住まいる研究会」から開発の依頼を受けた。
ゲームは全部で3種類。すごろくのほかに、備蓄品について学べるビンゴと災害時の行動などを描いた飛び出す絵本がある。
学生たちに防災の知識はなく、ゼロからのスタートだった。「間違ったことは教えられないのでプレッシャーがあった」とすごろくを担当した長嶺知代実さん(21)は語る。
本やインターネットで勉強を重ねながら、ゲームをデザインしていった。すごろくのコマやサイコロは角を落としたり軟らかい素材を使ったりして、子どもが安全に遊べるように工夫したという。
2月末に大学で最終発表会があり、学生がNPO関係者に作品を渡した。「予想以上の出来で驚いた」とNPO代表の寺西貞昭さん(49)。「大勢の人に使ってもらって、一人でも多くの命を守るために役立てていきたい」と話す。
11日で東日本大震災から5年。ビンゴを担当した野沢香枝さん(21)は「危機感が薄れてきている人も多いと思う。ゲームで遊ぶことを機に、防災について考えてもらえれば」と願っていた。
(2016年3月8日 中日新聞朝刊尾張版より)