HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て
2016.01.10
若者よ 失敗は財産 名古屋 赤崎さん、山中さん対談
ノーベル賞受賞者が研究の心構えを若者に伝える公開対談が9日、名古屋市内であり、名城大終身教授の赤崎勇さん(86)=物理学賞=と京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥さん(53)=医学生理学賞=が「若いころの失敗は財産。失敗して成長する」と励ました。
赤崎さんは故・湯川秀樹さんが物理学賞を受けた1949年に京大に入学し、「まだ焼け野原が残っていたが、自分も、誰もやったことがないことをやってみたいと強く思った」と回想。「若い時は、人生のキャンバスに余白がかなりある。焦らずにやりたいことを見つけて」と呼び掛けた。
山中さんは実験で仮説と違う結果が出た経験を振り返り、「人間が考えても、分からないことばかり。自然は意外な答えを返してくれる」と指摘。「勉強は必要だが、先生や教科書が間違っているかも、と疑う気持ちも大切」と語った。
質疑で愛知県岡崎市の岡崎高1年、木下裕香子さんは教訓を尋ね、山中さんは「人間万事塞翁(さいおう)が馬。人生で起きることは、何が良くて悪いか、分からない」と話した。
大阪大2年の丸岡真人さんは研究者に求められる資質を問い、両氏は「好奇心」と強調。名古屋市の南山中女子部1年の谷沢純奈さんは日本初の女性ノーベル賞への秘訣(ひけつ)を質問し、山中さんは「出産や子育てをする女性が活躍できるよう、社会も努力が必要」と訴えた。谷沢さんは「先生から直接、話を聞いて感動した。私も将来、人の役に立ちたい」と誓った。
対談は国立研究開発法人「科学技術振興機構」が主催し、中日新聞社など後援。聴衆700人のうち、6割が子どもや学生だった。
(2016年1月10日 中日新聞朝刊1面より)
赤崎さんは故・湯川秀樹さんが物理学賞を受けた1949年に京大に入学し、「まだ焼け野原が残っていたが、自分も、誰もやったことがないことをやってみたいと強く思った」と回想。「若い時は、人生のキャンバスに余白がかなりある。焦らずにやりたいことを見つけて」と呼び掛けた。
山中さんは実験で仮説と違う結果が出た経験を振り返り、「人間が考えても、分からないことばかり。自然は意外な答えを返してくれる」と指摘。「勉強は必要だが、先生や教科書が間違っているかも、と疑う気持ちも大切」と語った。
質疑で愛知県岡崎市の岡崎高1年、木下裕香子さんは教訓を尋ね、山中さんは「人間万事塞翁(さいおう)が馬。人生で起きることは、何が良くて悪いか、分からない」と話した。
大阪大2年の丸岡真人さんは研究者に求められる資質を問い、両氏は「好奇心」と強調。名古屋市の南山中女子部1年の谷沢純奈さんは日本初の女性ノーベル賞への秘訣(ひけつ)を質問し、山中さんは「出産や子育てをする女性が活躍できるよう、社会も努力が必要」と訴えた。谷沢さんは「先生から直接、話を聞いて感動した。私も将来、人の役に立ちたい」と誓った。
対談は国立研究開発法人「科学技術振興機構」が主催し、中日新聞社など後援。聴衆700人のうち、6割が子どもや学生だった。
(2016年1月10日 中日新聞朝刊1面より)