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お知らせ 2026.05.01
金城大の伝統 継いで 名院大と統合 学生に説明

共学化検討についての学生向け説明会で話す学校法人・金城学院の小室尚子理事長=30日、名古屋市守山区で
金城学院大側は今年4月20日、学校法人・名古屋学院大学の傘下に入り、29年4月をめどに金城学院大の共学化を検討する基本合意書を名院大側と締結した。共学化した上で、名院大への統合も視野に入れる。
説明会は大学内の大講義室であり、学生70人が参加。小室理事長は基本合意の内容を説明し「金城学院大の教育を終わらせようとしているものではない。キャンパスや学部学科の配置も、急に変わることは全く予定していない」と話した。
共学化方針については正式決定ではないとしつつ「女子教育の伝統を継承しながら多様性を重視する目標の下で踏み切ることになるかもしれない」と述べた。
5月以降も学生やOGへの説明機会を設ける。
■学生、OG驚き 共学化に不安も
共学化や名古屋学院大との統合に向けた動きが明らかになった金城学院大。伝統ある女子大の新たな方針に、学生やOGからは驚きや先行きへの不安の声が上がった。
「衝撃でした」。文学部3年の稲熊杏美(あみ)さん(20)=愛知県愛西市=は驚きを隠せない。「女子大ならではのキャリア教育が魅力的だった。母校がなくなってほしくはない」と話した。
人間科学部3年の学生(20)=名古屋市北区=は、母親の勧めで中学から金城学院を受験し、高校、大学と進んだ。「ずっと女子だけで居心地が良かった」と語った。
大学側は2029年4月の共学化を検討しており、実現すれば今の1年生は卒業前に男子学生が入学してくる。文学部1年の服部礼奈さん(18)=同県碧南市=は「共学化でどんなふうに変わるのか」と不安を吐露。一方で「最近は倍率も下がっていたので仕方ないと思う」と理解を示した。人間科学部3年の学生(20)=同県豊橋市=も「男子を入れて運営が維持できるならそのほうが良い」と語った。
驚きの声は出身者からも。02年に募集停止した金城学院大短大に通った同県半田市の女性(48)は「淑女としての振る舞いを大事にしていた。伝統は受け継がれていってほしい」と求めた。
一方の名院大では、統合計画に歓迎の声が聞かれた。商学部1年の女子学生(18)=同県安城市=は「学部も学生も増えて、にぎやかになる」と期待。経営学部1年の近藤勘太郎さん(18)=半田市=は「学祭などがおもしろくなるといい」と笑顔を見せた。
■出身の山田満知子さん 「金城らしさ残して」
金城学院大出身で、浅田真央さんらを育てたフィギュアスケートのコーチ山田満知子さん(82)は共学化などの計画について、「金城は女の子のお城というイメージだったので、正直ショック」と話した。
高校から金城学院に通い、大学は家政学部の1期生だった。「当時は大学の前に彼女を迎えに来る男性の車が並んでいた。中学から金城の子は『純金』と呼ばれ、公立中から来た私にとっては、すごくすてきな学校に見えた」と懐かしむ。母校への愛着から自らの娘も中学から入学させたという。
指導者として男女ともに選手を育てた経験から「男女の区別が少なくなり女子大は難しい時代。共学で多様な価値観を学ぶのは良いこと」と理解を示す。ただ、大学の雰囲気や名前はOGも大切にしているといい、「金城らしさは残して」と願った。
■金城学院大と名古屋学院大の統合を巡る動き
昨年3月に学校法人・金城学院が名院大側に統合に向けた協議を申し入れ、今年4月20日に基本合意に達した。両大の学生の定員数は単純計算で計1万人を超え、大学統合が実現すれば、中部9県では名城大、中京大に次ぐ定員規模の総合大学となる見込み。学校法人・金城学院は存続し、中学と高校の運営に専念する。中学、高校は女子校のままで、共学化はしない。
(2026年5月1日 中日新聞朝刊27面より)