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2015.12.27
飼育解説 タブレット活用へ 全国の28施設 名港で画面作り学ぶ
名古屋港水族館(港区)が旗振り役となり、飼育員がタブレット端末を使って生物の生態を詳しく解説するサービスの準備を、日本動物園水族館協会(JAZA)に加盟する各地の水族館が始めた。短時間の観察や掲示板の説明だけでは伝わらない奥深い魅力を来館者に知ってもらう狙い。名港水族館では使用の機会を増やしていき、各施設の模範となる考えだ。(室木泰彦)
名港水族館は、人気のシャチなどで飼育員が定時に水槽前に立つ解説タイムを実施しているが、口頭で説明し、パネルを使う程度。そこで、より詳しい解説を提供できるよう、持ち運びが簡単でインターネットにも接続できるタブレット端末に注目した。
昨年9月ごろから準備を開始。今年10月末、JAZAに加盟する北海道から鹿児島県までの28施設(うち動物園2施設)の担当者32人が名港水族館に集まり、ウミガメなど8種類を紹介する端末画面作りを学んだ。
金城学院大の岩崎公弥子教授(国際情報)の指導で、短時間で効果的に解説できる画面を編集し、水槽前で模擬解説も体験。飼育員が持つ端末を訪れていた児童らが興味津々でのぞき込んだり、来館者が端末と水槽を見比べたりする姿が見られ、反応は上々だった。
体長5メートル以上になるシャチの場合、水槽を泳ぐ姿を眺めながら、生まれた直後の写真を端末で見れば成長ぶりが一目瞭然。授乳シーンを見る機会は限られるが、事前に撮影した動画を見せることも可能。水槽にいない仲間の種類の写真を紹介すれば、“即席図鑑”にもなる。
名港水族館飼育展示部の柿添太さん(50)は「来館者に画面を見せながら解説することで足りない面、改善すべき点が見つかる」と話し、来館者の反応を見ながら内容を改善していくという。
研修に参加したJAZA教育普及委員会の森徹さん(51)=碧南海浜水族館副館長=は「名港水族館のプログラムを基に、各施設が独自の内容にアレンジして活用できる」と話し、各施設への導入を呼び掛けている。
(2015年12月27日 中日新聞朝刊市民版より)
名港水族館は、人気のシャチなどで飼育員が定時に水槽前に立つ解説タイムを実施しているが、口頭で説明し、パネルを使う程度。そこで、より詳しい解説を提供できるよう、持ち運びが簡単でインターネットにも接続できるタブレット端末に注目した。
昨年9月ごろから準備を開始。今年10月末、JAZAに加盟する北海道から鹿児島県までの28施設(うち動物園2施設)の担当者32人が名港水族館に集まり、ウミガメなど8種類を紹介する端末画面作りを学んだ。
金城学院大の岩崎公弥子教授(国際情報)の指導で、短時間で効果的に解説できる画面を編集し、水槽前で模擬解説も体験。飼育員が持つ端末を訪れていた児童らが興味津々でのぞき込んだり、来館者が端末と水槽を見比べたりする姿が見られ、反応は上々だった。
体長5メートル以上になるシャチの場合、水槽を泳ぐ姿を眺めながら、生まれた直後の写真を端末で見れば成長ぶりが一目瞭然。授乳シーンを見る機会は限られるが、事前に撮影した動画を見せることも可能。水槽にいない仲間の種類の写真を紹介すれば、“即席図鑑”にもなる。
名港水族館飼育展示部の柿添太さん(50)は「来館者に画面を見せながら解説することで足りない面、改善すべき点が見つかる」と話し、来館者の反応を見ながら内容を改善していくという。
研修に参加したJAZA教育普及委員会の森徹さん(51)=碧南海浜水族館副館長=は「名港水族館のプログラムを基に、各施設が独自の内容にアレンジして活用できる」と話し、各施設への導入を呼び掛けている。
(2015年12月27日 中日新聞朝刊市民版より)