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2009.05.27
名城大に“日の丸ルーキー” 世界クロカン出場 長野の2トップ
アップダウン巧者・粘りの小田切
スピードタイプ亀山
全日本大学女子駅伝優勝など数々の戦績を誇る名門・名城大(名古屋市)の女子駅伝部に、ジュニア日本代表として世界クロスカントリー選手権(3月・ヨルダン)に出場した小田切亜希(18)=長野東高出=と亀山絵未(18)=長野・東海大三高出=が入部した。“日の丸ルーキー”の入学は同部初。即戦力として期待せずにはいられない。
■女子駅伝部で初
待ち望んだビッグルーキーの入部だ。「タイプは違うが、2人とも即戦力。秋までには今より上のレベルの記録が出せるはず。穴のない駅伝オーダーを組めるのが今から楽しみ」。米田勝朗監督(41)の口調が滑らかなのも無理はない。
小田切はアップダウンに強く、粘りも十分。マラソンや駅伝にうってつけのランナーだ。逆に亀山は典型的なスピードタイプ。165センチと体格に恵まれており、速力の伸びしろは大きい。小田切は2月の千葉国際クロカン、亀山は千葉、3月の福岡国際クロカンの実績が考慮され、ともに初めての日本代表に選ばれた。
■団体銅に貢献!
世界クロカンでは小田切が21位、亀山が36位に入り、日本ジュニア女子の団体銅メダル獲得に貢献した。小田切は「レースの最初から、世界とのスピードの違いを感じた」と振り返る一方、「大会の規模は大きいけど『いつもと同じに走れれば』と臨んだ。普段通りの調整でやれたと思う」。世界の舞台でも平常心を保つ強心臓ぶりを見せた。亀山は「スタートで突っ込みすぎて、ラストはつぶれた」と反省しながらも、アフリカ勢を果敢に追走したことに「少しだけでも付いていけたのはいい経験」と納得の表情をのぞかせる。それぞれに大きな収穫を得た様子だ。
2人が入学して約2カ月。「2人が入ったことによって、上級生も『うかうかしていられない』と刺激になっている」(米田監督)と、チームに新たなパワーを吹き込んでいる。小田切が「がむしゃらに挑戦し、それをいい方向に持っていけるようにしたい。一生懸命走って、チームに勢いをつけられれば」と意気込めば、亀山も「一つ一つのレースで、怖がらずに思い切り走りたい。走りだけでなく人間性も磨き、チームの力になりたい」と、1年目から全開宣言してみせる。
立命大、佛教大とともに大学女子駅伝の“三強”を形勢する名城大だが、全日本大学女子駅伝(仙台)、全日本大学女子選抜駅伝(つくば)では、ここ2年続けて両チームに後塵(こうじん)を拝している。雪辱したい気持ちは例年になく強い。そんな時に現れた長野生まれのニューフェース2人。日の丸を背負った経験を生かし、チームを一段高いステージに押し上げる。 (斎藤正和)
■初の代表3へ 7月・ユニバ
7月にセルビア・ベオグラードで行われるユニバーシアードの代表に、名城大から4年生の西川、ともに2年生の野村、津崎の計3人が選ばれた。西川は前回に続いて2度目。名城大からのユニバ代表輩出は4大会連続だが、一挙3人は今回が初めて。日の丸づいている名城大の今季の飛躍は間違いないようだ。
▼亀山絵未(かめやま・えみ) 1990(平成2)年9月27日、長野県松川町生まれの18歳。165センチ、49キロ。小学3年生の時に地元クラブで陸上を始める。長野・東海大三高1、3年の時に全国都道府県対抗女子駅伝の長野県選抜チームに選出。3年時は5区で区間7位となり、チームの8位入賞に貢献。
▼小田切亜希(おたぎり・あき) 1990(平成2)年8月20日、長野市生まれの18歳。157センチ、40キロ。長野・更北中で陸上を始める。長野東高2年、3年と全国高校駅伝に連続出場。エース区間の1区を任され、2年時4位、3年時3位と好走して注目を集めた。
(2009年5月27日 中日スポーツ11面より)
スピードタイプ亀山
全日本大学女子駅伝優勝など数々の戦績を誇る名門・名城大(名古屋市)の女子駅伝部に、ジュニア日本代表として世界クロスカントリー選手権(3月・ヨルダン)に出場した小田切亜希(18)=長野東高出=と亀山絵未(18)=長野・東海大三高出=が入部した。“日の丸ルーキー”の入学は同部初。即戦力として期待せずにはいられない。
■女子駅伝部で初
待ち望んだビッグルーキーの入部だ。「タイプは違うが、2人とも即戦力。秋までには今より上のレベルの記録が出せるはず。穴のない駅伝オーダーを組めるのが今から楽しみ」。米田勝朗監督(41)の口調が滑らかなのも無理はない。
小田切はアップダウンに強く、粘りも十分。マラソンや駅伝にうってつけのランナーだ。逆に亀山は典型的なスピードタイプ。165センチと体格に恵まれており、速力の伸びしろは大きい。小田切は2月の千葉国際クロカン、亀山は千葉、3月の福岡国際クロカンの実績が考慮され、ともに初めての日本代表に選ばれた。
■団体銅に貢献!
世界クロカンでは小田切が21位、亀山が36位に入り、日本ジュニア女子の団体銅メダル獲得に貢献した。小田切は「レースの最初から、世界とのスピードの違いを感じた」と振り返る一方、「大会の規模は大きいけど『いつもと同じに走れれば』と臨んだ。普段通りの調整でやれたと思う」。世界の舞台でも平常心を保つ強心臓ぶりを見せた。亀山は「スタートで突っ込みすぎて、ラストはつぶれた」と反省しながらも、アフリカ勢を果敢に追走したことに「少しだけでも付いていけたのはいい経験」と納得の表情をのぞかせる。それぞれに大きな収穫を得た様子だ。
2人が入学して約2カ月。「2人が入ったことによって、上級生も『うかうかしていられない』と刺激になっている」(米田監督)と、チームに新たなパワーを吹き込んでいる。小田切が「がむしゃらに挑戦し、それをいい方向に持っていけるようにしたい。一生懸命走って、チームに勢いをつけられれば」と意気込めば、亀山も「一つ一つのレースで、怖がらずに思い切り走りたい。走りだけでなく人間性も磨き、チームの力になりたい」と、1年目から全開宣言してみせる。
立命大、佛教大とともに大学女子駅伝の“三強”を形勢する名城大だが、全日本大学女子駅伝(仙台)、全日本大学女子選抜駅伝(つくば)では、ここ2年続けて両チームに後塵(こうじん)を拝している。雪辱したい気持ちは例年になく強い。そんな時に現れた長野生まれのニューフェース2人。日の丸を背負った経験を生かし、チームを一段高いステージに押し上げる。 (斎藤正和)
■初の代表3へ 7月・ユニバ
7月にセルビア・ベオグラードで行われるユニバーシアードの代表に、名城大から4年生の西川、ともに2年生の野村、津崎の計3人が選ばれた。西川は前回に続いて2度目。名城大からのユニバ代表輩出は4大会連続だが、一挙3人は今回が初めて。日の丸づいている名城大の今季の飛躍は間違いないようだ。
▼亀山絵未(かめやま・えみ) 1990(平成2)年9月27日、長野県松川町生まれの18歳。165センチ、49キロ。小学3年生の時に地元クラブで陸上を始める。長野・東海大三高1、3年の時に全国都道府県対抗女子駅伝の長野県選抜チームに選出。3年時は5区で区間7位となり、チームの8位入賞に貢献。
▼小田切亜希(おたぎり・あき) 1990(平成2)年8月20日、長野市生まれの18歳。157センチ、40キロ。長野・更北中で陸上を始める。長野東高2年、3年と全国高校駅伝に連続出場。エース区間の1区を任され、2年時4位、3年時3位と好走して注目を集めた。
(2009年5月27日 中日スポーツ11面より)