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中日新聞掲載の大学記事

2015.07.30

クレソン積極PRを 飯南、飯高地域観光資源 中京大生、市長に報告書

■収穫体験と調理 企画提案 市HPで公開、パンフも

 松阪市の飯南、飯高両地域の観光資源を研究していた中京大(名古屋市)の学生が、松阪市役所に山中光茂市長を訪ね、報告書を手渡した。飯高町波瀬地区特産の香草クレソンの積極的なPRや、畑の拡充などが提言の目玉。市は報告書を今後、市のホームページ(HP)で公開し、市が作る観光パンフレットに生かすという。(吉野淳一)

 若者の視点で中山間地の飯南、飯高両地域の魅力を発掘してもらおうと、市は本年度、中京大総合政策学部の宮川正裕教授(66)のゼミに研究を委託した。

 3年生のゼミ生10人は4月から7月にかけ、両地域の観光名所や道の駅など16カ所を訪れ、評価できる点と課題をまとめた。その後、同大の学生を対象に両地域に関するアンケートを実施。結果を踏まえ、観光資源の活用案を提案した。

 ゼミ生は4月27日に飯高町波瀬地区を訪れた際、一面に広がるクレソン畑に感動したという。岩井美月さん(20)は「松阪にクレソンがあるとは知らなかった。かわいらしい花が印象的だった」と振り返る。クレソンを使ったプリンを食べ、おいしさに再び感動し「松阪の観光資源として、もっとアピールすべきだと考えた」という。

 その後、中京大の学生102人にアンケートを行った。「クレソン畑を訪ねて、クレソンを使った料理やプリンを食べたいか」との質問に、59人の学生が「はい」と答え、クレソンに寄せる若者の関心の高さが分かった。

 報告書では、クレソンをPRするためには波瀬地区に駐車場が不足していると指摘。高い栄養価や美容効果を強くアピールすべきだとした。また、同じ波瀬地区にあるクレソン料理店「はぜの風」と連動し、収穫体験で採ったばかりのクレソンを調理し、その場で味わう企画を提案した。

 市役所では、ゼミ生が山中市長に報告書の内容を説明した。同市早馬瀬町の米菓店・風味堂と進める「クレソンあられ」の共同開発計画を明らかにした。あられは今後、風味堂が直営する「たばね庵(あん)」で販売する予定という。

 山中市長は「私たちでは発想できないことをまとめてもらえたのは財産になった」と感謝した。ゼミ生の鳥居直弘さん(21)は「松阪には名古屋にはない山と川がある。気持ちをリフレッシュできる、この自然をもっとPRすべきだと思う」と話していた。

(2015年7月30日 中日新聞朝刊松坂紀勢版より)
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