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中日新聞掲載の大学記事

2015.06.28

文武両道で連覇目指す 金沢工大生 朝練や夜間交流稽古

 野々市市扇が丘の金沢工業大柔道部は、朝練中心の稽古と、毎週1回夜間に地域の中高生や社会人に稽古を開放する交流会で、文武両道を体現している。昨年は全日本理工科学生柔道優勝大会に初出場、初優勝の快挙を挙げた。今年も28日に講道館(東京)であり、連覇を目指す。

 理工系大学だけに学生は放課後も実験、リポート作成と学科ごとの自主的な集まりに忙しい。経済的な事情でアルバイトが必要な学生もいる。朝練は一昨年に導入した。鈴木貴士監督(33)は「誰もが空いている時間が朝だった。理工系であることを負ける言い訳にする感覚を持ってもらいたくなかった」と話す。

 立ち技、寝技の基礎練習が中心の朝練は毎週月、火、金曜午前6〜8時にある。万全の体調で稽古に臨むため、学生の前夜の就寝時間は必然、早くなる。冬場は暗く、寒い。鈴木監督は「相手に勝つ前に自分に勝て」と学生を鼓舞する。1限目に遅れる学生はいなくなった。

 交流会は毎週水曜午後6時半〜9時。「強豪校と比べて少ない部員(20人)の稽古のマンネリ打破と、仕事終わりに柔道を楽しみたい社会人の思いが一致した」と諏訪部仁顧問(54)。目立った宣伝はしてないが、人が人を呼び、今では中学生から社会人まで毎回、40人程度が集まる。

 実践形式の乱取りが中心。学生は進んで初対面の相手と組む。成果は「競技力の向上にとどまらない」と鈴木監督。特に格下の中高生を相手にする場合、学生は技などについて言葉で分かりやすく説明する能力が求められる。毎年1人程度、未経験者が入部するが、1年で黒帯になる。

 山形県出身の環境・建築学部3年の主将森建君(20)は「朝練で精神面を鍛え、交流会で地元の人とつながる」と受け止め、28日の大会連覇を誓う。

 (谷知佳)

(2015年6月28日 北陸中日新聞朝刊20面より)
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