進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2015.04.23

天国の田中先生に届け!! 名古屋で26日 合唱団、再出発の定演

 名古屋市や近郊の30〜80代でつくる女声合唱団「レインボーコーラスあいち」(84人)が、長年「先生」と慕ってきた音楽監督の死を乗り越え、再出発のコンサートに臨む。舞台は26日午後2時から、名古屋・栄の県芸術劇場で開く定期演奏会。遺言のように残されていた演目リストを支えに「天国まで届け」と歌声を響かせる。

 「先生の人柄があればこそ20年も続いてきた。いつも優しくユーモアたっぷりで」。NHK名古屋放送局のリハーサル室で練習に励む仲津紘子団長(74)ら団員たちは口々に悼んだ。音楽監督の田中省三さんは2013年4月に行われた前回定演の7カ月後、66歳で膵臓(すいぞう)がんのため死去した。

 声楽家で名古屋音楽大教授でもあった田中さんは、1996年の団設立以来、音楽監督兼常任指揮者を務めてきた。「健康に集い歌える喜び」を主眼に、スペイン、フランスなどで親善公演も重ねる活動的な合唱団へ発展させた。

 演目リストが残されていたのも、団に注ぐ愛情ゆえだった。「2年に一度の定演が終わるたび、すぐ次回の演目に取り掛かっておられました」(仲津団長)。団員たちは「先生の遺志を受け継ぐのが私たちの役目」と心を決めた。

 指導陣や演奏陣も、田中さんを支えてきた顔触れがそのまま残り、音楽監督は作曲や編曲を引き受けていた小高直樹さん(55)=名古屋音楽大非常勤講師=が、常任指揮者は三木一子さん(54)=声楽家=が継いだ。そろって「音楽の裾野を広げた田中先生の功績を発展させたい」と意気込む。

 演目は「白い色は恋人の色」「ブルーシャトウ」などのポピュラーソングや「通りゃんせ」のような童歌、海外公演でも人気のソーラン節編曲バージョン「レインボーソーラン2011」など。入場料1500円。(問)事務局の仲津さん=0568(92)3381

 (梅本秀基)

(2015年4月23日 中日新聞朝刊県内総合版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ