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2015.02.10
脳波で自律走行車いすシステム 目的地を「洋数字」登録 連想 金沢工大が開発
金沢工業大(石川県野々市市)情報工学科の中沢実教授の研究室が、利用者が頭の中で目的地を選んで思い浮かべると、脳波を読み取り、自動的に目的地まで進む車いすロボット制御システムを開発した。9日、同大情報技術研究所(同県白山市)で報道陣に試験走行を公開した。(松本芳孝)
システムは、あらかじめ用意した地図上で複数の目的地を洋数字に置き換えて登録。現在は「1」から「3」まで可能という。車いす利用者が目的地の洋数字を思い浮かべると、脳波センサーで利用者の思い浮かべた数字を読み取り、常にレーザー距離計で周囲の障害物をチェックしながら、目的地まで進む。非常停止機能もあり、安全性を高めた。
これまでも脳波で前進、右折、左折を指示する制御方法は開発されていたが、常に進路を決めなければならず、利用者の負担が大きいことなどから、中沢教授らは違った方法を模索。直接目で数字を見た場合と、頭に思い浮かべた場合の脳波が同じであることに着目した。研究室の学生8人の脳波を調べ、同じ数字を思い浮かべた場合に共通するパターンを抽出し、システムを作り上げた。
車いす利用者が知らない場所でも、地図があれば、行きたい場所に行くことができるのが特徴。性能を上げるため、研究室は車いすを走らせながら、地図も同時に作製させる研究を進めているという。
試験走行では研究室の修士課程2年、鷹箸孝典さんが車いすに乗り脳波センサーを頭に付けた。現在位置を入力後、胸の前で両手を握り、洋数字を思い浮かべると車いすは時速1、2キロのゆっくりとした速度で指定場所に向かって進み始めた。
中沢教授は医療、福祉施設などでの利用を構想。「今後は指示できる箇所数を増やすと同時に、多くの人の脳波を調べてシステムの精度を上げたい。できれば1年後には施設と連携し、実用研究に取り組みたい」と話した。
(2015年2月10日 北陸中日新聞朝刊1面より)
システムは、あらかじめ用意した地図上で複数の目的地を洋数字に置き換えて登録。現在は「1」から「3」まで可能という。車いす利用者が目的地の洋数字を思い浮かべると、脳波センサーで利用者の思い浮かべた数字を読み取り、常にレーザー距離計で周囲の障害物をチェックしながら、目的地まで進む。非常停止機能もあり、安全性を高めた。
これまでも脳波で前進、右折、左折を指示する制御方法は開発されていたが、常に進路を決めなければならず、利用者の負担が大きいことなどから、中沢教授らは違った方法を模索。直接目で数字を見た場合と、頭に思い浮かべた場合の脳波が同じであることに着目した。研究室の学生8人の脳波を調べ、同じ数字を思い浮かべた場合に共通するパターンを抽出し、システムを作り上げた。
車いす利用者が知らない場所でも、地図があれば、行きたい場所に行くことができるのが特徴。性能を上げるため、研究室は車いすを走らせながら、地図も同時に作製させる研究を進めているという。
試験走行では研究室の修士課程2年、鷹箸孝典さんが車いすに乗り脳波センサーを頭に付けた。現在位置を入力後、胸の前で両手を握り、洋数字を思い浮かべると車いすは時速1、2キロのゆっくりとした速度で指定場所に向かって進み始めた。
中沢教授は医療、福祉施設などでの利用を構想。「今後は指示できる箇所数を増やすと同時に、多くの人の脳波を調べてシステムの精度を上げたい。できれば1年後には施設と連携し、実用研究に取り組みたい」と話した。
(2015年2月10日 北陸中日新聞朝刊1面より)