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中日新聞掲載の大学記事

2014.09.07

愛知大学野球 2部 名大エース 右腕・七原11K 5安打2失点

 秋季リーグ戦が開幕した。1部は春季王者の愛院大が延長10回の末、2−1で中京大にサヨナラ勝ち。途中出場の指名打者・宮野峻(3年・星稜)がサヨナラ打を放った。愛大は5−1で日本福祉大に先勝した。2部では、名大の152キロ右腕・七原優介投手(4年・知立東)が名産大戦で5安打2失点、11三振を奪って完投したが、1−2で敗れた。

■完投むなし敗戦

 大学最後のシーズンにかける思いを投球に込める。リーグナンバーワン右腕・七原が2ケタ奪三振。名大のスピードガンでは最速147キロも計測した。ただ、変化球の制球が定まらず、1、7回にミスも絡んでそれぞれ失点。「本調子に比べると60〜70%」と淡々と振り返った。

 夏場のオープン戦から調子が上がりきっていない。それでも2〜6回までは無安打。同じ直球でもカウントを取る球と勝負にいく球でメリハリをつけ「悪いなりにも、うまくいった」。真夏に戻ったような炎天下ながら、9回に最速の147キロを記録した。

 6月に大学日本代表の選考合宿に参加。落選したが、ライバルから刺激を受けた。同じく速球を武器にする早大の有原や創価大の田中が、変化球もしっかり腕を振って制球している姿を見た。「力だけじゃないんだ」と痛感。同じ部屋だった亜大の山崎は、誰よりも早く起きて自主練習し、意識の高さを学んだ。

 その有原や山崎は今秋ドラフトの目玉。七原もプロ志望届を出せば上位指名が濃厚だが、すでにトヨタ自動車への入社を決断。この日もスカウトの姿はなかった。

 「自己分析した結果、まだ足りない所が多い。社会人で結果を出せば、その先はついてくると思う」。今は目の前の一戦だけを見る。入学した1年のころ、チームは4部だった。そこから2部にまで押し上げてきた。残された仕事は1つ。「この秋は結果だけを意識する」。1部昇格という最高の置き土産をするために−。 (小西亮)

■愛工大の北出は パナソニックへ

 2部の愛工大のエース右腕・北出(4年・小松商)は右肘を手術したため、大学最後のシーズンで投げられなくなった。もともとプロ志望だったが、春先から肘の痛みを感じており、7月に社会人の都市対抗を観戦して「あの舞台で投げたい」と手術に踏み切った。松岡捕手と一緒にパナソニックに入社する見込み。3カ月はボールを握れない。「チームには申し訳ない」との気持ちは強いが「将来プロに行きたいし、長い野球人生を考えた」と複雑な心境を語った。

◇愛知大学2部リーグ第1週第1日
【A組】
▽1回戦(名産大1勝)
名産大 100000100―2
名大 000000010―1
(産)長田−新田
(名)七原−近藤

■延長10回宮野サヨナラ打 1部 愛院大が初戦飾る

 一瞬の迷いも見せず、バットを勢いよく振った。延長10回2死二塁の場面。宮野は初球、外角のチェンジアップを左翼線にはじき返し、高らかにガッツポーズ。サヨナラ打で、春の覇者に白星発進をもたらした。

 「自分は思い切りの良さが持ち味。初球からバットを振ろうと思って打席に立った」。8回に代打で出場した宮野は、そのまま指名打者に入っていた。起用に、最高の結果で応えた。

 愛院大は6月の全日本選手権で4強入りしたものの、活躍したのは4年生ばかり。「今の4年生は実力者ぞろい。ついていく気持ちも持ちつつも、自分たち下の学年が結果を出していかないとこれから勝っていけない」と3年生の宮野は気を引き締めた。

 梶原康之監督(25)は「宮野は反骨精神がある。ちょっときつい言葉で注意された方が、何くそ!と頑張るタイプ」と評価する。「チームとして日本一を目標に掲げている。これからも厳しく指導していく」。王者に緩みはない。 (安達健)

■愛大左腕・中川 公式戦デビュー

 愛大の左腕・中川が公式戦登板。1点リードの6回1死満塁でマウンドに上がり、無失点救援を見せた。「制球にだけ気をつけて、思い切って投げられた。良い緊張感を持って挑めた」と納得の表情。

 「リーグ優勝に向けて、これからも自分に与えられた仕事をしっかりやっていきたい」と笑顔で語った。

▽1回戦(愛院大1勝)
中京大 0000000100―1
愛院大 1000000001―2
(延長10回)

▽1回戦(愛大1勝)
愛大 020000030―5
日福大 000001000―1
本塁打 安藤(愛)

(2014年9月7日 中日スポーツ11面より)
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