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中日新聞掲載の大学記事

2014.03.16

日本3連勝決勝へ W杯レスリング女子

 レスリング女子の国別対抗戦、ワールドカップ(W杯)第1日は15日、東京都板橋区の小豆沢体育館で1次リーグが行われ、2年ぶり7度目の優勝を狙う日本はA組で3戦全勝し、B組1位のロシアと当たる16日の決勝に進んだ。11日に父を亡くしたばかりの吉田沙保里(ALSOK)は53キロ級で2試合に出て連勝した。

 各チーム8階級の代表が対戦する団体戦。日本は米国との初戦を5−3で制すと2年連続7度目の優勝を目指す中国に7−1、ハンガリーにも7−1で快勝した。

 昨年の世界選手権48キロ級覇者の登坂絵莉、69キロ級の土性沙羅(ともに至学館大)が2戦2勝と活躍。ロンドン五輪代表で75キロ級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は2敗と振るわなかった。

■「先生と沙保里さんのために」 登坂焦らず逆転

 息詰まる攻防を制した登坂は会心の笑顔を浮かべた。1次リーグ第2戦の中国戦で、昨年の世界選手権51キロ級女王の孫亜楠に6−4で勝利。「いつもは家族のために試合をしているけど、今日は吉田先生(故栄勝さん)と沙保里さんのために戦うと決めていた」とほほ笑んだ。

 序盤に4点を先行されても「焦らずいけた」。第1ピリオド終盤に2点を返すと、第2ピリオドは相手のタックルにカウンターを合わせて逆転した。1月に新階級が導入され、昨年の世界選手権で初制覇した48キロ級は残ったが、消滅した51キロ級からの転向組も多い。孫も新たなライバルの1人だけに、手応えをつかむと同時に「もっと差をつけられるようにしたい」と気を引き締める。

 前日に39度近くの発熱があり、この日も体調不良ながら志願の出場。ベンチでは「少しでも元気になってくれれば」と吉田に声をかけた。日本チーム主将の20歳は「何が何でも勝って優勝したい」と意気込んだ。 (井上仁)

(2014年3月16日 中日新聞朝刊31面より)

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