名古屋外国語大の創立２５周年記念シンポジウム「グローバル時代の教養」が３０日、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開かれた。

　大学の教養教育をテーマにした討論会で、京都三大学教養教育研究・推進機構の林哲介さんは「日本では科学や社会問題への関心度が先進国の中で特に低い。大学生は目先の進路に役立つことにしか関心がなく、教養教育に自発的ニーズがない」と問題提起した。

　中日新聞社の小出宣昭社長は「自分や身近な人以外の『第三人称』の命を考えるには想像力が必要だ」と指摘した。

　東京大大学院人文社会系研究科の沼野充義教授は「他人に興味がなければ、痛みを感じ取ることもできない」。名古屋外大の亀山郁夫学長は「教育で他者への想像力を養うことが課題の１つ」と話した。　（木下大資）

（2013年12月1日　中日新聞朝刊市民版より）