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2008.10.27
岐阜市と岐大教授ハザードマップ作成中
市内50地区被害状況や避難所明記
10月28日は「県地震防災の日」。近い将来に発生が予想される東海・東南海地震に備え、岐阜大流域圏科学研究センターの杉戸真太教授(地震工学)と岐阜市は、地震発生時の被害状況を地図上に示したハザードマップを作成している。 (宮畑譲)
「間違いなくわれわれが生きている間に起こる」と杉戸教授が言い切る東海・東南海地震。文部科学省の地震調査研究推進本部がまとめた「海溝型地震の長期評価」でも、東海地震はマグニチュード(M)8程度で、30年以内に87%の確率で起こり、東南海地震はM8・1程度で、30年以内で60−70%、五十年以内では90%の確率で発生するとされている。
過去500年で5回起きた東南海地震のうち、3回は東海地震と連動して発生。複合地震を起こす断層は合わせて約300キロ以上と長く、ずれるのに時間がかかる。断層から離れた県内は、最初にずれた断層から最後のずれで起きた波が伝わってくるのに時間差があるため、揺れが2分近くも続くと考えられている。阪神淡路大震災でも揺れは20−30秒で、杉戸教授は「永遠に揺れが終わらないと感じる」ほどの長さと説明する。
東海・東南海地震では岐阜市の震度は6弱−5強と想定される。長時間の揺れが続いた場合、同じ震度の地震よりもひどい液状化現象が起こり、古い木造家屋が倒壊しやすくなるなど大きな被害の可能性が指摘される。
ハザードマップは最大6強の地震を想定し岐阜市と作成に着手。杉戸教授は1998年に、県内を500メートル四方に区切って地表数十メートルの地盤を調査、被害想定をしたことがある。今回はより詳細に被害が想定できるように、50メートル四方に区切った地盤を調査。岐阜市内の1500世帯からのアンケート結果を踏まえ、市内を約50地区に分けて被災状況、避難所などを書き込む。
杉戸教授は「ハザードマップの内容を頭に入れておくことは大事。一番の防災は『長い揺れの地震が来るかもしれない』と気持ちの準備をしておくこと。気が動転して、用意したことを忘れてしまっては意味がない」と、日ごろからできる準備をしておくことの重要性を訴えている。
(2008年10月27日 中日新聞朝刊岐阜県版より)
10月28日は「県地震防災の日」。近い将来に発生が予想される東海・東南海地震に備え、岐阜大流域圏科学研究センターの杉戸真太教授(地震工学)と岐阜市は、地震発生時の被害状況を地図上に示したハザードマップを作成している。 (宮畑譲)
「間違いなくわれわれが生きている間に起こる」と杉戸教授が言い切る東海・東南海地震。文部科学省の地震調査研究推進本部がまとめた「海溝型地震の長期評価」でも、東海地震はマグニチュード(M)8程度で、30年以内に87%の確率で起こり、東南海地震はM8・1程度で、30年以内で60−70%、五十年以内では90%の確率で発生するとされている。
過去500年で5回起きた東南海地震のうち、3回は東海地震と連動して発生。複合地震を起こす断層は合わせて約300キロ以上と長く、ずれるのに時間がかかる。断層から離れた県内は、最初にずれた断層から最後のずれで起きた波が伝わってくるのに時間差があるため、揺れが2分近くも続くと考えられている。阪神淡路大震災でも揺れは20−30秒で、杉戸教授は「永遠に揺れが終わらないと感じる」ほどの長さと説明する。
東海・東南海地震では岐阜市の震度は6弱−5強と想定される。長時間の揺れが続いた場合、同じ震度の地震よりもひどい液状化現象が起こり、古い木造家屋が倒壊しやすくなるなど大きな被害の可能性が指摘される。
ハザードマップは最大6強の地震を想定し岐阜市と作成に着手。杉戸教授は1998年に、県内を500メートル四方に区切って地表数十メートルの地盤を調査、被害想定をしたことがある。今回はより詳細に被害が想定できるように、50メートル四方に区切った地盤を調査。岐阜市内の1500世帯からのアンケート結果を踏まえ、市内を約50地区に分けて被災状況、避難所などを書き込む。
杉戸教授は「ハザードマップの内容を頭に入れておくことは大事。一番の防災は『長い揺れの地震が来るかもしれない』と気持ちの準備をしておくこと。気が動転して、用意したことを忘れてしまっては意味がない」と、日ごろからできる準備をしておくことの重要性を訴えている。
(2008年10月27日 中日新聞朝刊岐阜県版より)