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中日新聞掲載の大学記事

2008.04.11

初勝利目指す中京女大 愛知大学野球5部

 大学の硬式野球では全国で初めて、女子単独チームで男子主体のリーグに加盟した中京女大が、今年も12日の名古屋外大戦から愛知大学野球の5部春季リーグに臨む。2006年春季のオープン参加以降、2けた失点での負けが28試合続くが、創部時のメンバーが最上級生になる今年は真価が問われ、部員らは悲願の初勝利を目指す。

 7対243、7対207、4対180…。06年秋の正式加盟以降の3季(各8試合)の合計得失点だ。点差は少しずつ縮まったが、依然苦戦が続く。07年秋も1試合平均で2安打強、約8失策と力不足は否めなかった。

 樋口監督は「まず部の存続が先だった」と、男女差以前の問題も多かったと振り返る。ただ周囲が落ち着いた昨年は、ノックを手加減せず打つなど練習を厳しくした。「けがを恐れず、男子が打つのと同じ球を捕らせた。つらかったと思うが、試合中の表情は不安から期待に変わった」

 一方、捕手で主軸打者の山口(4年)は、男子との体力差への気後れが消極性につながったと悔やむ。この冬は、ダッシュの量を増やして下半身を強化。バットスイングで足がふらつく選手が減り、守備では前で捕球して肩の弱さを補えるようになった。山口は「自信を持てたことが何より大きい」と目を輝かせる。

 体力差は、正確性で埋める。樋口監督は「90メートル投げられなくてもいい。30−40メートルの送球をいかにつなぐか」と中継プレーを反復。「足の速さでは男子に負けない子も多い」とバットを短く持って当てる打撃やバントにも活路を見いだす。

 練習は1部校と同じ週6回。狭いが照明付きのグラウンドで、午後9時ごろまで球音を響かせてきた。創部時から所属する4年生は6人。「必ず結果を出します」。野球にかけた青春の集大成を前に、山口らの思いは熱い。(鈴木智行)

(2008年4月11日 中日新聞朝刊24面より)

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