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2013.05.26
愛工大教授ら 体内で分解されにくく 免疫力高める化合物を発見
体内で分解されにくく、免疫力を高める機能がある化合物を、愛知工業大(愛知県豊田市)の早川芳宏教授らのグループが、ヒトの培養細胞を使った実験で発見した。花粉症などのアレルギー性疾患やがんの予防薬、治療薬開発につながる可能性がある。米オンライン科学誌セル・リポートに発表した。
早川教授のグループは2011年、細菌が持つ化合物「c−di−GMP」がマウスの免疫機能を活性化する仕組みを解明したが、体内の酵素に壊されやすいという弱点があった。
発見した化合物はコレラ菌が生成し、哺乳類の体内にはない。ヒトの細胞に、この化合物を投与すると、投与していない細胞と比べて免疫系のタンパク質「インターフェロン」が3倍多く発生。免疫を活性化していた。
さらに、ヒトの体内の分解酵素と同じ働きをする酵素を化合物に投与したところ、分解されなかった。グループは今後、マウスを使った実験で副作用などを調べ、医薬品としての開発を目指す。
末期がんやウイルスによる感染症など、免疫力の低下を引き起こす病気は多い。早川教授は「体内の酵素に分解されにくく、少量でも投与してから効果の持続が期待される」と話した。
(2013年5月26日 中日新聞朝刊3面より)
早川教授のグループは2011年、細菌が持つ化合物「c−di−GMP」がマウスの免疫機能を活性化する仕組みを解明したが、体内の酵素に壊されやすいという弱点があった。
発見した化合物はコレラ菌が生成し、哺乳類の体内にはない。ヒトの細胞に、この化合物を投与すると、投与していない細胞と比べて免疫系のタンパク質「インターフェロン」が3倍多く発生。免疫を活性化していた。
さらに、ヒトの体内の分解酵素と同じ働きをする酵素を化合物に投与したところ、分解されなかった。グループは今後、マウスを使った実験で副作用などを調べ、医薬品としての開発を目指す。
末期がんやウイルスによる感染症など、免疫力の低下を引き起こす病気は多い。早川教授は「体内の酵素に分解されにくく、少量でも投与してから効果の持続が期待される」と話した。
(2013年5月26日 中日新聞朝刊3面より)