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2013.03.20
「巨星集団」こうして誕生 水素ガスの塊同士が衝突 名大院グループ発見
宇宙を雲のように漂う水素ガスの塊同士が衝突することで、太陽の100倍もの重さを持つ巨大な星の集団「スターバースト」ができることを、名古屋大大学院理学研究科の福井康雄教授らのグループが突き止めた。埼玉大(さいたま市)で20日に始まる日本天文学会春季年会で発表する。
グループは地球から2万光年離れた場所にあるスターバースト4カ所に着目。スターバーストの付近を漂う水素ガス雲の分布を調べた。
水素ガスは目には見えないため、名大が南米チリのアタカマ高地に設置する電波望遠鏡で、水素ガス雲から発せられる電波を捉え、形や動く速度、温度などを割り出した。すると、いずれのスターバースト付近でも水素ガス雲同士が動きながら毎秒20キロの速さで衝突していた。水素ガス雲の分布図を目で確認できるスターバーストの写真と重ね合わせると、巨大な星が集中するのは雲が直接ぶつかった部分だけだった。
水素ガス雲同士がぶつかると星が誕生することは、理論的に予想されていたが、実際にどんな大きさで、どんな状態の星が生み出されるのかが分かった。
福井教授は「スターバーストが起こる条件は水素ガス雲同士の衝突だと強く裏付けられた。宇宙形成の謎を探る重要な手がかりになる」と話している。
(2013年3月20日 中日新聞朝刊3面より)
グループは地球から2万光年離れた場所にあるスターバースト4カ所に着目。スターバーストの付近を漂う水素ガス雲の分布を調べた。
水素ガスは目には見えないため、名大が南米チリのアタカマ高地に設置する電波望遠鏡で、水素ガス雲から発せられる電波を捉え、形や動く速度、温度などを割り出した。すると、いずれのスターバースト付近でも水素ガス雲同士が動きながら毎秒20キロの速さで衝突していた。水素ガス雲の分布図を目で確認できるスターバーストの写真と重ね合わせると、巨大な星が集中するのは雲が直接ぶつかった部分だけだった。
水素ガス雲同士がぶつかると星が誕生することは、理論的に予想されていたが、実際にどんな大きさで、どんな状態の星が生み出されるのかが分かった。
福井教授は「スターバーストが起こる条件は水素ガス雲同士の衝突だと強く裏付けられた。宇宙形成の謎を探る重要な手がかりになる」と話している。
(2013年3月20日 中日新聞朝刊3面より)