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中日新聞掲載の大学記事

2013.03.12

世界フィギュア 羽生らが公式練習

 【ロンドン(カナダ)=海老名徳馬】当地で開かれるフィギュアスケート世界選手権の公式練習で11日(日本時間12日)、日本勢の男女5人が本番会場で初練習した。男子は羽生結弦(宮城・東北高)、高橋大輔(関大大学院)、無良崇人(中京大)の3人がそろい、積極的にジャンプを繰り返し氷の感触を確かめた。

 拠点とするトロントからこの日現地入りした羽生は、フリーの鍵を握る4回転サルコーで転倒もあったものの「体の調子はいいし、徐々に上げていこうと思う」と自信をのぞかせた。

 高橋も4回転トーループに積極的に挑戦。何度も転倒したが「まずは思い切りやることが大事」。4年ぶりの世界選手権に挑む無良は、幅の狭いリンクでジャンプのタイミングが合わない場面があり「フェンスに近づきすぎないように」と注意点を挙げた。

 女子は鈴木明子(邦和スポーツランド)と村上佳菜子(愛知・中京大中京高)が調整。浅田真央(中京大)は12日から練習する予定。

■東北思い「結果出す」

 仙台市出身で、東日本大震災では練習中に自らも被災した羽生が、震災から丸2年がたった思いを口にした。「ぼく自身、復興や街並みについて考える時間が減ったのは確か。自分が結果を出すことで、少しでも震災が話題になってくれればうれしい」

 地震が起こった日本時間の午後2時46分、現地の午前1時46分には「日本の方向を向いて黙とうしました」。被災地からの応援も背に受けて臨んだ前年の世界選手権は初出場で3位に入った。声援を力に変えることが、感謝を伝える手段ともなると意識している。

 震災からの月日の分だけスケーターとしても大きく成長し「被災地の方々の応援を絶対に忘れず、演技でこたえられたらうれしい」と、大舞台のリンクに立つ。(海老名徳馬)

(2013年3月12日 中日新聞夕刊7面より)
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