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中日新聞掲載の大学記事

2013.01.30

交流しのび「東松照明展」 母校・愛大の写真研究会

■豊橋であすからパネルやポスターなど紹介

 昨年12月に82歳で亡くなった愛知大出身の写真家東松照明さんをしのび、かつて所属した愛知大写真研究会が、生前の写真や展覧会ポスターなどを紹介する「追悼ありがとう東松照明先輩!展」を31日から、豊橋市の愛大記念会館で開く。2月5日まで(2日は休み)。

 東松さんは名古屋市出身で、愛大在学中に本格的に写真を始めた。独自の写真表現を確立し「戦後写真界の巨人」とも評された。

 写真部(当時)の1年先輩で、現在は同研究会名誉会長の越知専(おちまこと)さん(82)=豊橋市小松町=は「入部時から写真の腕はずぬけていた」と振り返る。当時、写真部の活動は運動会の撮影などに限られていたが、東松さんの入部翌年に初めて展覧会を開催。東松さん自身も、愛大の恩師の教えで撮影手法の幅を広げていった。

 卒業で交流は途絶えたが、越知さんは退職後の1999年に東京であった東松さんの個展に足を運び、交流を再開。豊橋や名古屋市での個展では代表世話人を務めてきた。

 2007年には豊橋か名古屋で東松作品を集めた資料館を設立する相談を受け、各地の美術館に働き掛けたり、調査に出掛けたりもしてきた。昨年10月末、最後となった東松さんとの電話でも「東松ミュージアムを何とか形にしたい」と言われたという。

 越知さんは「故郷を、そして母校を愛する思いがあふれていた。生きているうちに応えられずに本当に残念」と悔しがる。

 31日からの展示では、写真研究会の学生にアドバイスする東松さんの写真やこれまでの展示会、新聞記事を紹介するパネルのほか、学生の写真も展示する。 (曽布川剛)

(2013年1月30日 中日新聞朝刊県内版より)

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