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中日新聞掲載の大学記事

2012.11.02

広がるか“鶴舞チャリ” マナカでレンタル初日 拠点拡大が課題

 IC乗車券manaca(マナカ)を使い、昭和区の名古屋工業大やJR鶴舞駅前など6カ所に設けた拠点間で共有の自転車計30台に乗り降りできる「コミュニティサイクル」の社会実験が1日、始まった。

 名工大では、初日の利用者はまばらだったが、電車で通学する4年生瀬古貴也さん(22)は「大学周辺で行動範囲が広がるかも」と思案顔。さっそく利用した助教の大塚孝信さん(31)は「買い物に行くのに使おうと思う。栄にも拠点があれば便利だけど・・・」と話した。

 本格的な放置自転車対策としては、市が2009〜10年に名駅や栄の中心街で「名チャリ」の社会実験に取り組んだ。当初は、放置自転車をリサイクルして無料で貸し出したため、観光客の需要が多いホテルから「イメージが良くない」と連携を渋られたことも。

 こうした経験を生かし、今回の社会実験を主導する名工大の伊藤孝紀准教授(38)=芸術工学専門=は「カッコいい自転車でなければ街のシンボルにならない」と、女性でも使いやすいスタイリッシュなデザインを考案した。

 ただ、今回の拠点は鶴舞地区周辺の6カ所に限られ、増やしていくには道路の使用許可などが課題になる。伊藤准教授は「行政にも規制緩和などで後押ししてもらいたい」と期待している。

 社会実験は伊藤准教授の研究室が中心になり、駐車場管理会社「蔦井」(西区)や市が協力。日常生活や観光の足に使ってもらい、街の景観や歩行者の妨げになっている放置自転車を減らす。利用には事前にインターネットで登録が必要。現在は名工大の学生を中心に300人ほどが登録している。(木下大資)

(2012年11月2日 中日新聞朝刊市民版より)
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