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中日新聞掲載の大学記事

2012.06.28

道路に電極埋め込めば 走って充電 未来の車 豊橋技科大 実験に成功

 豊橋技術科学大(愛知県豊橋市)は、道路に埋め込んだ電極から充電しながら走る電気自動車の実証実験に成功し、27日公開した。世界初の試みで、次世代の電気自動車の普及を目指す。

 波動工学が専門の大平孝教授(57)が一昨年、研究に着手。路面の下に電極を埋め、その上を自動車が通過すると、タイヤを伝って自動的に充電するシステムを考案した。

 タイヤはゴム製のため通常は電気を通さないが、家庭用の10万〜100万倍の高周波電気を電極から放出すると、ゴム内部の金属やホイールを経由して電気を伝えることができる。

 家庭で充電する必要はなく、電極を埋めた道路を走れば蓄電量が回復するため、長距離走行が可能になる。

 課題は全国の高速道路や国道に電極を埋め込む膨大な費用や、感電を防ぐための安全策の整備。今後5年間で空港や工場内のテストコースで実験し、実用化の道を探る。

 大平教授は「走りながら充電するシステムが新たな電気自動車の開発と普及につながれば」と期待する。

(2012年6月28日 中日新聞朝刊9面より)

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