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中日新聞掲載の大学記事

2012.05.31

東海地区大学野球リーグ春季大会 三重中京大は終わらない

■閉校年度に神宮切符ゲット

 岐阜、三重、静岡の3県学生リーグによる東海地区大学野球リーグ春季選手権大会(中日スポーツ後援)が30日、浜松市営球場で行われ、来年3月に閉校する三重中京大(三重学生)が、日大国際関係学部(静岡学生)、岐阜経大(岐阜学生)に連勝。3日間に渡った激戦を制し、2年ぶり10度目の全日本大学野球選手権大会(神宮、東京ドームで6月12日開幕)出場を決めた。開幕日に神宮の第4試合で大体大(阪神)と対戦する。

■やっと終わった

 最後を締めた最速154キロ右腕・則本があっという間に歓喜の渦に巻き込まれた。2日連続で3校が1勝1敗で並び、中2日で仕切り直した再々戦。3日間に渡った死闘を三重中京大が制した。

 「やっと終わった。ほんまにそう思った」。第1試合の日大国際関係学部戦で2失点完投、第3試合の岐阜経大戦でもリリーフした則本が声を張り上げた。

 集大成の年に神宮切符をつかんだ。三重中京大は今年度末での閉校が決まっている。前身の松阪大時代を含めて創部30年目のラストイヤー。大学、ナインにとっては特別な1年だが、道のりは平たんではなかった。

 「紆余(うよ)曲折あった。きつかった」と岐阜経大戦で先発登板した長谷川。部員は4年生の24人のみ。中村好治監督(58)は「仲良し集団で競争原理が働かない」と、あえてレギュラーを試合で外すなどして、チームを刺激した。

■巧みなやりくり

 選手層が厚いとは言えず、好左腕ながら打力もある長谷川は登板しない試合も外野手で出場。先発登板する試合は、指名打者を使わずに長谷川が打席に立った。外野手登録の升岡も今大会で公式戦初登板。岐阜経大戦で先制打を放ったのは打撃練習をしていないリリーフ登板の投手・硴野だった。「2つくらいのポジションをこなしてくれる。うまくいった」と中村監督。高校野球のようなやりくりで勝ち抜いた。

 全日本選手権ではプロ注目の松葉、宮川の両投手を擁する大体大と1回戦で対戦する。則本は「チームの勝利が一番。でも神宮で150キロを出したい」と意気込んだ。やっとつかんだ最後の出場権。出るだけでは満足できない。(麻生和男)

■岐阜経大 リベンジを誓う

 全日本選手権初出場を狙った岐阜経大は最後に力尽きた。西濃運輸の選手、監督として都市対抗出場の経験もある小森監督は「悔しい。それしかない」と厳しい表情。第2試合で日大国際関係学部との接戦を制し、勢いづいて三重中京大との“決定戦”に臨んだが、投打がかみ合わなかった。「ただ、対等に6試合こなせたのは財産。近いうちに忘れ物を取りに来る」とリベンジを誓った。

日大国際関係学部(静岡学生=1敗) 110000000―2
三重中京大(三重学生=1勝) 00021100x―4
(日)山岸−茂木、滝
(三)則本−法本

岐阜経大(岐阜学生=1勝) 000130200―6
日大国際関係学部(2敗) 002010010―4
(岐)比嘉−田原
(日)佐藤、後藤−茂木

三重中京大(2勝) 000130100―5
岐阜経大(1勝1敗) 000100010―2

(2012年5月31日 中日スポーツ11面より)

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