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2012.02.16
藤田保健大→徳島大 ロボ手術3D中継 遠隔授業リアルに
最先端のロボット手術を遠隔地に衛星で生中継し、裸眼3D(立体)映像として見せる世界初の試みが15日、愛知県豊明市の藤田保健衛生大病院と徳島市の徳島大病院をつないであった。ライブ映像を見ながら手術を「体験」できる遠隔教育の充実に向けた第一歩だ。
裸眼3Dは、左右別々の映像を特殊な方法で合成することなどで専用眼鏡が不要となる最新の技術。眼鏡を掛ける違和感がなく、大勢が一度に立体感のある映像を見ることができる。
70代女性の膵臓(すいぞう)腫瘍切除手術が行われた藤田保健衛生大病院の手術室。「止血ガーゼを交換して」「血管を引っ張りすぎないように」。内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた消化器系がん手術の国内第一人者、宇山一朗教授は、千手観音のような機械を操りながら指示を飛ばした。
同じくダビンチを保有する250キロ離れた徳島大病院では、医師や研修医、医学生ら約50人が55インチの裸眼3Dモニター4台で視聴。臨場感あふれる映像伝送技術に、驚きの声を上げた。
試みは独立行政法人「情報通信研究機構」(NICT)と産学官連携組織の「超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム」(URCF)が主体となり企画。URCFが、執刀医しか見られなかった手術部位の立体映像を取り出す技術を開発し、映像を宇宙航空研究開発機構などが開発した超高速インターネット衛星WINDS(きずな)を介して伝送することに成功した。
手術は約4時間で終了。視聴した徳島大医学部の島田光生教授は「画面に奥行きがあり色も自然で患者の腹部の中に入っているような感覚になった。鉗子(かんし)の使い方や高度な止血技術に感動した」。宇山教授も「理論的には複数の場所に同時中継することも可能で教育効果が高い」と早期の実用化に期待を示した。
【ダビンチ】 米国製の内視鏡手術支援ロボット。数本のアームの先端にメスなどを装着でき、腹部に開けた小さな穴から挿入する。執刀医は手術台とは離れた操縦席に座り、3D映像を見ながら操作。開腹手術と比べて患者の負担が少ないとされ、導入する病院が急増。全国で約40台が設置されている。
(2012年2月16日 中日新聞朝刊1面より)
裸眼3Dは、左右別々の映像を特殊な方法で合成することなどで専用眼鏡が不要となる最新の技術。眼鏡を掛ける違和感がなく、大勢が一度に立体感のある映像を見ることができる。
70代女性の膵臓(すいぞう)腫瘍切除手術が行われた藤田保健衛生大病院の手術室。「止血ガーゼを交換して」「血管を引っ張りすぎないように」。内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた消化器系がん手術の国内第一人者、宇山一朗教授は、千手観音のような機械を操りながら指示を飛ばした。
同じくダビンチを保有する250キロ離れた徳島大病院では、医師や研修医、医学生ら約50人が55インチの裸眼3Dモニター4台で視聴。臨場感あふれる映像伝送技術に、驚きの声を上げた。
試みは独立行政法人「情報通信研究機構」(NICT)と産学官連携組織の「超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム」(URCF)が主体となり企画。URCFが、執刀医しか見られなかった手術部位の立体映像を取り出す技術を開発し、映像を宇宙航空研究開発機構などが開発した超高速インターネット衛星WINDS(きずな)を介して伝送することに成功した。
手術は約4時間で終了。視聴した徳島大医学部の島田光生教授は「画面に奥行きがあり色も自然で患者の腹部の中に入っているような感覚になった。鉗子(かんし)の使い方や高度な止血技術に感動した」。宇山教授も「理論的には複数の場所に同時中継することも可能で教育効果が高い」と早期の実用化に期待を示した。
【ダビンチ】 米国製の内視鏡手術支援ロボット。数本のアームの先端にメスなどを装着でき、腹部に開けた小さな穴から挿入する。執刀医は手術台とは離れた操縦席に座り、3D映像を見ながら操作。開腹手術と比べて患者の負担が少ないとされ、導入する病院が急増。全国で約40台が設置されている。
(2012年2月16日 中日新聞朝刊1面より)