■１安打で亜大撃破！４強入り

　大学の部では、愛院大（中部地区・愛知）が東都の覇者・亜大を１−０で押し倒す金星を挙げ、４強入りした。愛院大のヒットは３回に浜内優弥右翼手（３年・西日本短大付）が放った適時三塁打の１本だけだった。明大（東京六）は３継投で福山大（中・四国地区）を１安打零封し、１９−０の７回コールドで初戦突破。高校の部では、光星学院（東北・青森）、北照（北海道）の北国勢が準決勝に進出した。

■狙い通りの１−０

　まるで優勝を決めたかのように愛院大ナインがベンチから飛び出した。東都の王者・亜大を相手に、わずか１安打で２００５年以来の４強進出だ。３回に死球と犠打などで作った２死三塁の好機で、初戦の佛教大戦でも決勝打を打った浜内が、チーム唯一の安打である決勝三塁打を放った。

　「終わってみたら気持ちいいけど、やっている最中はワクワク、ドキドキだった。勝った気がしないくらい」。浜内が興奮気味に声を上ずらせた。

　亜大の先発は来年のドラフト目玉右腕・東浜ではなく、１年生の山崎。愛院大にとっては未知の相手だったが、ナインに動揺はない。むしろ、不安は消えてなくなった。

■３回除き三者凡退

　「東浜が一番上の投手だと思ったら、逆に楽になった」と浜内。１４０キロ台後半の直球を繰り出す山崎にもてこずったが、浜内は「三振はいくつしてもいいから、ワンチャンスだけものにしようと話していた」と割り切っていた。得点した３回以外は全て三者凡退。それでも、ベンチは声を出し、雰囲気が沈むことはなかった。

　浦野の完全リリーフも圧巻だった。粘投の先発・永岡が５回２死から右足に打球を受け降板。緊急登板となったが、一、二塁のピンチにも慌てず３番・中村篤を空振り三振に仕留めてしのいだ。

　「準備はできていた。フルパワーで行こうと思った」と浦野。中村篤への３球目には自己最速を１キロ更新する１５１キロをマーク。終わってみれば１人も走者を許さず、１３のアウトのうち８つを三振で取る快投だった。

　伊藤孝真総監督（５３）は「オレ流ですね」と少ない好機で得点し、自慢の投手陣で守りきる展開を冗談交じりに振り返った。決勝進出が懸かる２６日の準決勝は九州共立大−創価大の勝者と対戦。最高潮のムードで臨めそうだ。

　（麻生和男）

【大学の部】▽準々決勝
愛院大（中部）　００１００００００―１
亜　大（東都）　０００００００００―０

（2011年11月25日　中日スポーツ11面より）