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中日新聞掲載の大学記事

2011.04.09

医療現場に通訳を 愛知県 大学と連携、100人養成目指す

 愛知県は県内の3大学と連携し、在日外国人の病院受診を手助けする通訳を育てる「あいち医療通訳システム」を本年度から始める。県とNPOが協力した医療通訳養成は神奈川などで例があるが大学との提携は全国初という。

 名古屋外国語大(日進市)が英語、愛知大(豊橋市)が中国語、愛知県立大(長久手町)がポルトガル語とスペイン語を担当。4言語が母国語で日本語も堪能な外国人や、海外滞在経験がある日本人らを対象に4月中旬から受講者を募集し、計80〜100人を養成する。受講無料。

 7〜8月に愛知大車道校舎(名古屋市東区)で36時間の基礎研修を実施。「がんが転移している」「帝王切開が必要か」など医療用語を交えた具体的な会話を学ぶ。各大学の教員が指導するほか、医師や薬剤師が患者に関する守秘義務を教える。認定試験の後、10月から通訳者として派遣。通訳代は、病院と患者双方から謝礼を受ける形で調整している。

 自動車産業が盛んな愛知県にはブラジル人や中国人など20万人の外国人が在住。病状の説明や治療法をめぐる意思疎通の難しさが課題になっている。県は外国人児童の教育対策に取り組んでいるのに続き、試行的に通訳養成システムを導入。1000万円の予算をかけ、成果が出れば来年度から本格実施する。

 協力する浅野輝子・名古屋外大准教授(現代英語学)は「東日本大震災でも医療通訳者が求められている。東海地震が心配な愛知県も養成が必要」。愛大の安部悟教授(現代中国語学)は「外国人も等しく医療を受けられるために貢献したい」と話している。問い合わせは県多文化共生推進室=電052(954)6138=へ。

(2011年4月9日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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