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中日新聞掲載の大学記事

2011.02.13

高蔵寺団地に密着取材 椙山女学園大の学生

■高齢化や再生への奮闘撮った

 椙山女学園大(名古屋市千種区)の学生8人が、春日井市のマンモス団地・高蔵寺ニュータウンを扱ったドキュメンタリー作品「42年目!宝人(たからびと)たちの挑戦−高蔵寺ニュータウン物語」を制作した。少子高齢化をはじめとする団地の課題や再生への住民の奮闘を密着取材した力作だ。 (木谷孝洋)

■映像作品制作、反響大きく

 ニュータウンを研究する同大生活科学部の村上心教授(50)が昨年6月、文化情報学部の学生らに「団地の現状を映像にしては」と提案。両学部の3年生が取材班と制作班に分かれ、半年かけて調査や撮影をし、27分の映像作品にまとめた。

 作品では、高齢化や商業の衰退、小学校の統廃合、孤独死など団地が直面するさまざまな課題を取り上げた。ニュータウンの活性化に取り組むNPO法人「まちのエキスパネット」が主催するフォークイベントも密着取材。舞台裏で奮闘する治郎丸慶子代表(46)や出演者らを団地の再生を目指す「宝人」として紹介した。

 治郎丸代表は「学生は探求心が強く、質問も的確だった。高蔵寺をバランス良く取り上げた作品」と評価する。

 1月下旬に大学のホームページで公開したところ、1週間で500件を超えるアクセスを記録。地元ケーブルテレビでも放送された。村上教授は「建築関係の学会から『DVDを貸してほしい』との問い合わせも来ている」と反響の大きさに驚く。

 孤独死の取材をした坂田佳織さん(21)は「検視の医師から『50代男性の孤独死が多い』と聞いて驚いた。現場で人と関わることの大切さを知った」、リポーターを担当した武井三貴さん(21)は「映画を見てまちづくりに参加する人が少しでも増えれば」と期待している。

■高蔵寺ニュータウン
 春日井市東部に広がるニュータウン黎明(れいめい)期の大規模団地。1968(昭和43)年に入居が始まり、最盛期には人口5万2000人を超えたが、現在は4万6978人まで減った。入居者の世代交代が進まず、高齢化率も22%と市平均を2ポイント上回る。

(2011年2月13日 中日新聞朝刊愛知総合版より)

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