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中日新聞掲載の大学記事

2010.11.21

東海学院大 女子ホッケー3冠狙う

■大学2冠に続き全日本選手権もいただき!!

 女子ホッケーの東海学院大(岐阜県各務原市)が全日本選手権(12月8〜12日・岡山)で3冠に挑む。11月初めに行われた全日本学生選手権(インカレ)で8年ぶり5度目の優勝を飾り、6月の全日本大学王座決定戦も制して2冠を達成。社会人も含めた全日本には、大会4連覇中の王者・ソニーHCという難敵がいるが、日本代表経験者は1人の小粒なチームが一体感で挑戦する。

■長所は「きずな」

 全日本選手権の会場と同じように人工芝に砂が敷き詰められた岐阜各務野高のグラウンド。東海学院大は選手全員がシーズン最後の大会に向けて調整している。「こうなったら3冠を狙います」。主将のMF深野が力強く意気込みを語った。

 社会人と学生各4チームからなる日本リーグで08、09年と2年連続で最下位。特に昨季は0勝12敗2分けで総得点はわずか5点に終わった。さらにGKを含めたDF陣が全員卒業。今季は攻守ともに不安を抱えてのスタートだった。

 そこで掲げたテーマは「きずな」。全員攻撃、全員守備の組織プレーを徹底した。深野は「天理大や山梨学院大には1人でも突破できる選手がいる。うちは1人になると取られるので、人数をかけて全員でやろうと取り組んできた」と話す。

 もともと環境は抜群。同じ岐阜県グリーンフィールドを練習場とする王者「ソニーHC」との練習試合も多い。約20のバリエーションを誇るペナルティーコーナー(PC)の練習では男子ホッケー部にDFに入ってもらい、速いプレッシャーの中で動きを洗練させてきた。

 その成果を象徴したのがインカレだった。準決勝ではPCからの得点などで天理大を3−1で撃破。決勝の山梨学院大戦は前半の1点を守りきり、接戦をものにした。小林和典監督(43)は「守備では1対1でしつこく粘り、周りのポジショニングも良かった。攻撃ではショートパスがよくつながった」と手応えを口にする。

 日本リーグでも6勝8敗の6位と健闘。総得点は21点に飛躍的に伸びた。小林監督は「突出した選手はあまりいないが、彼女たち自身がチームワークで勝てると信じていた」と分析する。

■強豪ソニー倒す

 3冠がかかる全日本選手権は社会人と学生の計8チームが参加。2組に分かれたプール戦の1位のみが決勝に進む。大会4連覇中で、今季の日本リーグを無敗で制したソニーとは別組。小林監督は「決勝進出が目標」と現実的に語る。

 それでも深野は「ソニーを倒すには、粘り強く守備で我慢し、ワンチャンスをものにするのが不可欠」と勝利への筋書きを描く。パスもドリブルも重くなる砂のグラウンドへの適応も順調。代表で抜ける選手がいない分、連係の確認もばっちりだ。1995年以来の日本一と創部以来初の3冠を信じ、東海学院大の挑戦が始まる。 (高橋雅人)

■DF坂井壁になる

 東海学院大で唯一、日本代表経験があるのが3年のDF坂井。172センチの長身を生かした長いリーチでスイーパーとして相手の攻撃を止めるとともに、PCではヒッター(出し手)もこなす。今春のワールドカップ予選では3試合に出場したものの、8月の本大会は代表漏れ。「五輪に出るのが夢」と語る21歳は代表復帰を目指し、全日本選手権で存在感を発揮する。

■攻撃の中心片峯

 組織プレーが信条とはいえ、攻撃陣の鍵を握るのがインカレでMVPに輝いた4年のMF片峯だ。「スピードとドリブルには自信がある。得点とアシストの両方で貢献したい」とエースとしての自覚は十分。全日本選手権のプール戦で同組のグラクソ・スミスクラインに入社予定で「獲得して良かったと言われるようにアピールしたい」と意気込んでいる。

(2010年11月21日 中日スポーツ11面より)
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