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お知らせ 2025.03.19
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低気圧→ストレス→痛み増幅 愛知医科大 神経損傷のマウスで研究

「雨の日は古傷が痛む」「台風の接近で頭痛がひどくなる」など、気象変化で痛みが誘発される現象はよく知られるが、原因については科学的な解明が十分になされていない。
研究グループの寺嶋祐貴助教らは、気圧低下が神経由来の痛みにどう影響するかをマウスを使って実験。座骨神経を圧迫して人のヘルニアの症状に近い状態にしたマウスを装置に入れ、台風が通過する時と同程度の20ヘクトパスカルの気圧低下を5分間かけた。
気圧低下が1回の場合は痛みの増幅が見られなかったが、3回繰り返した場合にはそれが顕著に観察され、血中のストレスホルモンの量も増加していた。正常なマウスでは、ストレスホルモンの増加は見られなかったという。
寺嶋助教は「マウスの場合、神経に障害があると低気圧をストレスと認識し、痛みが増幅されることが分かった。今後はさらに詳しく低気圧と痛みの関係を解明し、新たな治療法につなげたい」と話している。
(2025年3月19日 中日新聞朝刊30面より)