進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 学生活動

中日新聞掲載の大学記事

学生活動  2025.01.31

この記事の関連大学

大豆グラノーラ 開発手応え 愛知文教女子短大と豆腐メーカー

試食会でグラノーラを配る学生(中央)ら=稲沢市重本の就労継続支援B型事業所「いちょう」で

試食会でグラノーラを配る学生(中央)ら=稲沢市重本の就労継続支援B型事業所「いちょう」で

■B型事業所で製造 4月発売予定

 稲沢市の愛知文教女子短大と、高浜市の豆腐メーカー「おとうふ工房いしかわ」が、大豆を主原料にした「夢みるグラノーラ」の開発に取り組んでいる。今冬から東浦町、春には稲沢市の就労継続支援B型事業所で製造をスタート。地域の住民らを巻き込んだ産学連携の取り組みで、福祉の輪を広げる。(寺田結)

 「食感がいいね」「おつまみにもなりそう」「海苔(のり)を入れても良いかも」-。稲沢市重本のB型事業所「いちょう」で23日に試食会があり、関係者らで「チャイ」「みたらし」「みそカレー」の3種類の味を食べ比べた。製造を担当する利用者らの意見も聞き、みたらし味を商品化する方針を決めた。

 グラノーラ作りは、同社の社会貢献活動「イイコトつながるプロジェクト」の一環で、2023年夏にスタート。同社は以前にも同様の企画で、包括連携協定を結ぶ同短大と協力し、アレルゲン対応せんべい「ぱりまる」を開発したが、製造に特殊な調理器具を使うことが事業所側の負担に。そこで、オーブンなどの基本的な設備で作れるグラノーラの検討を始めた。

 主原料は、同社が製造する大豆100%の「おからクランチ」。菓子のほか、ひき肉代わりに料理に使うこともできる商品で、さくさくとした軽い食感はグラノーラにぴったり。栄養学に詳しい短大側の監修を受けて、きな粉やレーズンを入れ、食物繊維とタンパク質豊富な「ベーシックタイプ」を開発。東浦町の事業所で製造し、2月から販売することが決まった。

 同時に進めていたのが、稲沢市内で作るオリジナル味の開発だ。こちらは地産地消も意識し、みたらし味には市内産のポン菓子をブレンド。小麦を使わないしょうゆと白ごまで味付け、老若男女に好まれそうな、ほっとする味わいに仕上げた。2月に「いちょう」で製造手順を確認し、4月には販売を始めるつもりだ。

 目指すのは、さらに多くの事業所でオリジナル味の開発をしながら、近くの福祉関係者や企業団体と関わり、福祉のつながりを広げていくこと。最終的には、商品販売で事業所で働く人の賃金アップに貢献するなど、障害者の就労支援にもつなげたい考えだ。

 同社の石川諒取締役は「試食会で多くの意見が出て、自分たちのグラノーラを作ろうという思いを感じられたことがうれしい。自慢できる地元産菓子として育ってほしい」と話した。短大の足立学園総合研究所の奥村智子副所長は「誰が食べてもおいしいものを作り、地域の皆さんとともに自信を持って広めていきたい」と意気込んだ。

(2025年1月31日 中日新聞朝刊尾張版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ