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お知らせ  2024.09.26

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「がんになっても前を向いて」 南山大 治療経験、矢方さんが講演

森山准教授(右)の質問に答え、がんの経験でどう生き方が変わったか話す声優・タレントの矢方さん=昭和区の南山大で

森山准教授(右)の質問に答え、がんの経験でどう生き方が変わったか話す声優・タレントの矢方さん=昭和区の南山大で

 南山大(昭和区)で24日、学生が社会人になる前に知っておきたいテーマについて考えるトークセミナーがあり、元SKE48メンバーで声優・タレントとして活躍する矢方美紀さん(32)が「乳がんになっても前を向いて」の題で講演した。

 セミナーは同大社会倫理研究所が学内外の専門家を招いて毎年1、2回実施している。今回は人生の選択を迫られた経験を持つ人に聞く「生き方」がテーマ。

 矢方さんはSKE卒業直後の25歳で乳がんと診断され、左乳房を全摘。今も治療を続けている。講演では治療のつらさを乗り越え、夢だった声優やラジオの仕事をこなすまでになった足跡を振り返り、「がん患者はかわいそうと思われがちだが、仕事と治療を両立させている人も多い。私も楽しかったという思いを日々重ねて生きている」と述べた。

 また、今は2人に1人ががんになり、女性の9人に1人は乳がんという現実を紹介し、「がんを自分ごととして考えてほしい」と訴えた。

 同研究所第1種研究所員でもある森山花鈴(かりん)・法学部准教授や学生たちからの質問に答え、人生観を披露。「命の期限を知り、時間を大切に使うようになった。今まで避けてきたことに目を向けることができ、自然に変われた」と話した。学生へのメッセージとして「仮にがんになったとしても、やりたいことはあきらめなくていい。その思いを助けてくれる人は必ずいるし、それがほかの人を勇気づけられる」と述べた。 (大森雅弥)

(2024年9月26日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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