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学生活動  2024.05.22

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「シン・エヴァ」の村 ジオラマに 金山 庵野秀明展で名古屋学芸大生協力

「庵野秀明展」の会場で、学生たちの質問に答える庵野さん(右)=名古屋・金山の金山南ビル美術館棟で

「庵野秀明展」の会場で、学生たちの質問に答える庵野さん(右)=名古屋・金山の金山南ビル美術館棟で

 名古屋・金山の金山南ビル美術館棟で開催中の「庵野秀明展」(中日新聞社共催)で、幅9メートル、奥行き4メートルの巨大なジオラマセットが展示されている。映像作家・庵野さんの軌跡をたどる展示作品の中でもひときわ存在感を放つ。セットの組み立てには、名古屋学芸大の学生たちが協力した。

 ジオラマは、ヒット作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」に登場する「第3村」の中心部をミニチュアにしたもの。絵コンテを書くために作られ、列車を回転させる転車台や駅、家のほか、電柱など細かい街並みが再現されている。

 若い世代に特撮やアニメの魅力を知ってもらおうと、名古屋会場の主催者が大学側に設営を持ちかけた。募集に応じて選ばれた15人が作業を手伝った。

 参加した4年の石原呼春さん(21)は「屋根の瓦や自転車など、細部のこだわりが印象的だった」と話す。一緒に作業したスタッフから「家の裏側はどうなっているのか。言葉だけでは伝わらないからジオラマを作った」と教わり、刺激を受けたという。

 名古屋会場は全国8カ所を巡る展覧会の最後を飾る。4月下旬には、庵野さん自身が「最後なので無理をしてでも」と熱意を実らせて来場した。

 学生たちの質問に答えて「シーンをつくるより、思い付くことの方が苦労する」「自分だけでは考えないようなことを仲間が思い付いてくれる」と創作の苦労や魅力を語った。将来について相談を受けると「流されてもいい。とにかくやってみることが大切」とエールを送った。終了後には、取材に「映像を作る面白さに触れてもらうことで、多くの才能が集まってくれたら」と話し、展覧会への期待を込めた。

 石原さんは「クリエーティブの第一人者なのに、とても朗らかで優しく答えてくれた。励みになりました」と喜んだ。

 「庵野秀明展」は6月23日まで。(住彩子)

(2024年5月22日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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