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学生活動  2024.03.07

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麦芽かす 捨てられぬ香ばしさ 中部大 瑞浪の高校生と特産品開発

試食する参加者(右)を見守るミライ創ろまい課のメンバーたち=春日井市の中部大で

試食する参加者(右)を見守るミライ創ろまい課のメンバーたち=春日井市の中部大で

 食品の味の特性などを研究する中部大(春日井市)応用生物学部の研究室が、岐阜県瑞浪市の高校生たちの特産品の開発に協力している。同大で5日、試食会があり、麦芽かすを使った商品化間近のパンや菓子について評価した。(長谷川和華)

■ビール製造の廃棄物 パンや菓子商品化へ試食会

 開発を進めるのは同市のまちづくりグループ「ミライ創ろまい課」の生徒たち。市内の瑞浪、中京、麗沢瑞浪各高校の生徒52人が所属し、3チームに分かれて、まちのにぎわいづくりに励んでいる。

 特産品チームは産官学連携で、クラフトビールの製造過程で出る麦芽かすをリサイクルしてパンや焼き菓子の商品化に取り組んでいる。本来麦芽かすは廃棄しているが、市内の企業や同大などと連携し、乾燥させた麦芽かすを粉末にしてパンと菓子を作った。

 市と同大は、域学連携協定に基づいて今回が初めての活動となり、管理栄養科学専攻の田中守准教授と香西はな講師の研究室が専門を生かして協力する。

 試食会には、同大生や職員約40人が参加し、高校生たちが振る舞った。改良を重ねた食パン、塩パン、フィナンシェ、スコーンの4種を試食し、それぞれ麦芽かすを使わないものと食べ比べながら、香りや口当たりなどを評価した。麦芽かすを使用していると、さくさくとした食感と香ばしさがアクセントになる。同じ作り方をしても、麦芽かすを使うことで甘みが増すものもあれば、あっさり仕上がるものもある。

 田中准教授は「麦芽かすは高タンパク質、高食物繊維で体に良い」と語り、同大院生の牛丸日南子さん(23)は「参加者がおいしいという表情で良かった」と話していた。

 特産品チームの中京高1年の生徒は「商品化に関わる前は、麦芽かすを知らなかった。何でも材料にできると分かった。今日は、これまでの試食してもらった機会の中で一番おいしそうに食べてくれた。商品化が楽しみ」と手応えを感じていた。

 集まった意見を基に調整を加え、今月25日に販売記念発表会を開く予定。

(2024年3月7日 中日新聞朝刊近郊版より)

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