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お知らせ  2023.09.12

下呂・湯ケ峰の遺跡、縄文前期のもの 南山大・上峯准教授グループ、炭素濃度から特定

調査で見つかった石片を持つ学生=下呂市で

調査で見つかった石片を持つ学生=下呂市で

 下呂市森の湯ケ峰(1067メートル)で発掘調査を進めている南山大の上峯(うえみね)篤史准教授(先史考古学)のグループが、山中で発見した遺跡の年代を、黒土の炭素濃度から縄文時代前期の6300~5600年前のものと特定した。湯ケ峰には、大まかに旧石器時代から縄文時代の遺跡が分布すると分かっていただけで、年代が明確になるのは珍しいという。 (上田千秋)

 上峯准教授と南山大、奈良大、愛知学院大、明治大の学生ら約15人は先月14日、湯の平と呼ばれる一帯で調査を開始。4メートル×3メートルの広さの穴を2カ所で掘り進めている。

 湯ケ峰は、旧石器時代から縄文時代にかけて、石器の材料になった下呂石の産地として知られる。下呂石は、10万年前に湯ケ峰が噴火した際に出た溶岩が冷えて固まった黒い岩石。割りやすく比較的加工が容易なことから、黒曜石などと並んで、やり、矢尻として広範囲で使われた。1万2千年前に千葉、4千年前には京都まで下呂石が運ばれ、石器として利用されたことが確認されている。

 今回の調査では、石片が出ただけで完成品の石器は見つからず、発掘場所では下呂石を粗く割るだけだったことも判明。上峯准教授は「加工は他の所でやっていたのだろう」と説明する。

 湯の平は1万平方メートルに及ぶ平たんな土地で、人間が居住するのに適した場所だったと考えられる。上峯准教授は「住みやすい感じを受ける。多くの人が暮らしていた可能性がある」と推察する。

 上峯准教授のグループによる湯ケ峰の調査は、2020年10月から実施。これまでに18カ所の遺跡を発見し順次、調査を進めている。今回の調査は今月13日でいったん終え、来年、継続するとしている。

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