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お知らせ  2023.08.17

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名工大に芸術系授業 音楽など文化的視点育成 来年度開講

■愛知県立芸大と連携

 名古屋工業大(名古屋市昭和区)が2024年度の新入生を対象にしたカリキュラムで、新たに音楽や美術、文学を学べる複数の授業を開講することが分かった。文化的な視点を持った学生を育成するため、リベラルアーツ(一般教養)教育の充実を図る。音楽については愛知県立芸術大(県芸、同県長久手市)の教員が担当する。工科大で専門家による芸術の授業が行われるのは珍しい。

 名工大は、一般教養が工学を学ぶ土台になるとして、共通科目に「人間社会」科目を設けている。23年度は「技術と人間・心理」「技術と歴史・哲学」「技術と社会・国際」の3区分で計26科目がある。

 24年度は「技術と芸術・文化」を加え、4区分として授業を再編。さらに各区分に少人数のゼミ形式の授業「特殊講義」を新たに設け、計34科目を開講する。新入生は原則、2年時までに、3~4区分から計4科目以上を選んで受講する。

 「技術と芸術・文化」の9科目のうち、5科目は新規。このうち「音楽論」は県芸の教員が担当する。「美学」「美術史」は公募で教員を選ぶ予定で、「文学」「芸術・文化特殊講義」の担当者は検討中。いずれも授業の詳細は未定だが、専門的な内容にする。

 名工大は21年度から県芸と連携し、研究棟などを県芸の学生らによる絵画や彫刻で彩る事業「アートフルキャンパス」を実施。学生らの感性を育む狙いで、20作品以上を展示した。

 芸術科目を巡っては、学生がイノベーションを生み出すきっかけになるとして、世界のトップレベルの工科大が充実させている。芸術科目が必修の米マサチューセッツ工科大(MIT)は、英大学評価機関が今年発表した世界大学ランキングの芸術デザイン部門で、世界の芸術大が上位を占める中で5位に入った。

 国内の工科大では、建築デザインなど工学と直結する芸術系の科目を教える大学は多いが、芸術そのものの授業を複数開くのは珍しい。東京工業大は先駆例として知られ、16年にリベラルアーツの専門組織を設置し、専門の教員が吹奏楽や西洋美術を教えている。

 名工大の木下隆利学長は「芸術を学んで自分と向き合うことで心にゆとりができ、工学の見え方も変わる。大学の行動理念である『心で工学』を学生に浸透させていきたい」と話した。(鈴木凜平)

(2023年8月17日 中日新聞朝刊1面より)

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