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お知らせ  2023.03.09

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高峰教室 こうじに着目 実験通し功績に触れる

白衣姿の大学生(右)に実験方法を教えてもらう中学生たち=金沢市高尾台中で

白衣姿の大学生(右)に実験方法を教えてもらう中学生たち=金沢市高尾台中で

■金沢工大生、高尾台中で講師役

 金沢工業大(野々市市)の学生による科学実験教室が8日、金沢市高尾台中学校で4年ぶりに開かれた。地元ゆかりの科学者、高峰譲吉の功績を伝えようと、2017年に始まった教室。今年は中学2年生約200人が参加し、高峰が着目した酵素活性や発酵に関する実験にチャレンジした。 (戎野文菜)

 学生15人が講師となり、2種類の実験でこうじ菌の働きを伝えた。実験は、こうじ菌がでんぷんを分解する酵素活性の観察と、甘酒と砂糖が入った清涼飲料水を比較する糖度測定。大学の研究で使う精密機器を中学生も慎重に操った。

 酵素活性の実験では、でんぷんを入れた寒天培地にこうじ菌を加えたシャーレを用意。培養直後と7日経過したものに茶色いヨウ素をかけ、でんぷんと反応して青紫色になる反応を観察した。色の濃さの違いから、時間の経過によりでんぷんを分解する酵素が増えていることが分かった。

 参加した中学生の生徒(14)は「母が肉を焼くときに塩こうじを使っている。実験を通して身近なこうじの働きを知ることができた」と話した。糖度測定の実験に取り組んだ別の生徒(14)は「人工甘味料よりも甘酒の方が糖度が高く、意外だった」と驚いていた。

 科学実験教室は、同大の応用バイオ学科の学生が取り組む「未来の高峰譲吉博士は君だ!発酵産業活性化プロジェクト」の一環。学生たちは1カ月以上かけて準備したという。

 プロジェクトリーダーの新谷涼真さん(21)は「まだ学校で習っていないことを既にある知識とどう関連させて教えるかが難しかった。かみ砕いて分かりやすく伝える力が付いたと思う」と充実感をにじませた。

 同大応用バイオ学科の相良純一准教授は「こうじ菌がつくる消化酵素は『タカヂアスターゼ』として胃薬などに100年以上用いられてきた。世界で使われる薬を発明した高峰博士の功績を子どもにも知ってもらいたい」と語り、生徒に高峰の伝記漫画も配っていた。

(2023年3月9日 北陸中日新聞朝刊金沢表版より)

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