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中日新聞掲載の大学記事

学生活動  2023.02.20

芸大生の作品 グッズに変身 名古屋で岐大生起業 「処分もったいない」

サイトの担当者にアトカケが手がけたトートバッグの説明をする夏目さん(左)=名古屋市中村区の同社で

サイトの担当者にアトカケが手がけたトートバッグの説明をする夏目さん(左)=名古屋市中村区の同社で

■スマホケース、バッグの柄に

 芸術大学の学生が授業の一環で制作した後、捨てられることが多い作品を持ち歩けるグッズにして販売する会社「artkake(アトカケ)」(名古屋市)を、岐阜大(岐阜市)4年の夏目一輝さん(22)が設立した。アートを鑑賞だけにせず、身の回りに取り入れる楽しみ方を提案し「グッズを入り口に、アートになじみを持ってもらいたい」と話す。(出口有紀)

 人知れず処分される作品を知ったのは約2年前、夏目さんの姉が出品していた芸大の卒業制作展を見に行った時。「見せ方がうまい作品ばかりでもったいない。購入して部屋に飾るのはハードルが高いが、何とかできないか」と考えた。

 アートとデザインの境界があいまいな洋服のように、身近なグッズにすれば「自分の感性に合ったものを手に取ってくれる人は多いのでは」。各地の芸大の学生らに作品の提供を呼びかけるなどして寄せられた油絵やイラストを画像データ化し、スマートフォンのケースやトートバッグの柄にした。

 夏目さんは岐阜大起業部に所属。昨年6月には、東海地区の大学が参画する起業家育成プロジェクト「Tongali(トンガリ)」のビジネスプランコンテストで最優秀賞を得た。受賞を機に、同9月からトンガリに協賛するJR東海(名古屋市)のショッピングサイト「JR東海MARKET(マーケット)」で約50種類の製品を販売している。

 社名に「捨てられるアートにきっかけを」との願いを込めた夏目さんは現在、自分の好きな作家を発掘、育成できるサービスの構築を目指している。「みんなが選んだ推しのアーティストに、展示や企業との連携の機会を提供できるプラットフォームにしたい」と話す。

(2023年2月20日 中日新聞朝刊県内版より)

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