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学生活動  2023.01.04

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濃いあの味 いつまでも とろ~り嚥下障害向け コメダなど開発

コメダや朝日大などが開発した「とろみコーヒー」=名古屋市東区のコメダ本社で

コメダや朝日大などが開発した「とろみコーヒー」=名古屋市東区のコメダ本社で

 コメダ珈琲(コーヒー)店を展開するコメダ(名古屋市)や朝日大(岐阜県瑞穂市)などが、食べ物や飲み物を飲み込む力が弱くなり、気管に入るおそれがある嚥下(えんげ)障害の人でも楽しめるインスタントの「とろみコーヒー」を開発した。従来はとろみをつける分、味が薄くなったが、試行を重ねて深みのある味わいを実現した。

 「やっぱりおいしいね」。岐阜市の飛驒満江さん(73)はとろみコーヒーを口に運ぶと、満足そうな笑みを浮かべた。2年ほど前、脳出血で入院し、左半身にまひが残った。コーヒーはペットボトル飲料に増粘剤を混ぜて飲んでいたが、「味が薄い」と感じていた。

 コメダのマーケティング本部長、伊藤弥生さん(43)も2020年春、介護職の友人から「とろみをつけるとおいしくできない」と相談された。新型コロナウイルス禍で外食産業に逆風が吹き始めた時期で、「物販で届けられることに魅力を感じた」と伊藤さん。コメダのコーヒー豆製造を請け負う石光商事(神戸市)などと開発を始めた。

 「コメダの名を使う以上、おいしいものを作るように」と会議で役員からハッパを掛けられ、メーカーからとろみ付け専用の増粘剤を10種類ほど調達。コーヒー豆のブレンド5、6種類と組み合わせを試行錯誤した。2年半の歳月を費やして、ようやく苦みとコクがしっかりと感じられる「コメダらしい味」に仕上がり、昨年11月に商品化にこぎつけた。

 嚥下障害になると、外出を控えがちになるケースもあるが、伊藤さんは「おいしいものをあきらめるのは、悲しいこと。『こういう商品があるから、店にも行きたくなるよね』という声につながれば」と、将来的に店舗でも提供する構想を思い描く。とろみの強さを監修した朝日大歯学部の谷口裕重准教授(44)は「『おいしいから』と意欲的になれば飲み込む力も戻りやすくなる」と話す。

 15杯入り税込み1900円。コメダ珈琲店のオンラインショップで購入できるほか、今後販路を広げることも検討する。(川添智史)

■嚥下障害

脳の血管や神経の病気、加齢によって引き起こされる。飲み込む力が弱くなった状態で、食べ物がのどに詰まったり、気管に入って誤嚥(ごえん)性肺炎を起こしたりするおそれがある。国内の患者は250万人程度とみられ、高齢化とともに年々増えている。

(2023年1月4日 中日新聞朝刊1面より)

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