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お知らせ  2022.07.23

「ウクライナの惨状知って」 避難民支援の川口さん 名古屋経営短大で講演

川口理事長(左)と、ウクライナの現状について話す避難民のコロトコヴァさん(中央)ら=尾張旭市新居町の名古屋経営短期大で

川口理事長(左)と、ウクライナの現状について話す避難民のコロトコヴァさん(中央)ら=尾張旭市新居町の名古屋経営短期大で

■助けてくれる日本に感謝

 ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナからの避難民を支援する日本ウクライナ文化協会(天白区)理事長で、同国出身の川口リュドミラさん(42)が19日、尾張旭市の名古屋経営短期大で講演した。今春、県内に避難してきたウクライナ人女性2人も参加。学生を前に、見通しの立たない戦況や母国の惨状、平和への願いを訴えた。(西川侑里)

 社会への理解を深めようと、外部講師らを招いて実施する必修講義「ライフプランニング」の一環。同短大と名古屋産業大の1年生約300人が聞き入った。

 川口さんはウクライナについて「歴史が深く、欧州の穀倉地帯と呼ばれる国」と紹介。日本でも知られるビーツを使ったスープ「ボルシチ」は一度にたくさん作ること、数日間かけて食べることなどを挙げ、突然の戦禍に見舞われる前は誰もが普通の生活を送っていたと伝えた。現地には親戚もいて「コロナ禍が落ち着いたら会いに行こうと思っていたのに」と唇をかむ。

 侵攻が始まって間もなく半年だが「日本に住むウクライナ人が現地の知り合いから聞いたところ、まだまだ地下にたくさんの人が隠れている。ショッピングモールや病院にも爆弾が落とされている」と説明。子どもの死者も日に日に増えている状況を涙声で訴えた。

 3月下旬に出国して、現在は名古屋市に住むイラストレーターのエリザベータ・コロトコヴァさん(23)は「遠く離れた日本人の方はテレビを見ていても、ウクライナで起きていることをなかなか信じられないと思う」と想像した上で「戻る場所がないのが寂しい」と悲痛な表情。ロシアとの国境に近いハルキウから4月、子どもと一緒に大府市に避難したカテリーナ・マリさん(37)は「いつ戦争が終わるのか誰にも分からない。毎日祈っている」と明かし、「助けてくれる日本の方に感謝しています」と話した。

(2022年7月23日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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