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お知らせ  学生活動  2022.05.08

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学食復活 難問を解け 南山大 住民集客へ 学生も奔走

新しい学食の構想を話す水谷義之さん(右)、福田尚登さん(中)、横井優樹さん=名古屋市昭和区の南山大で

新しい学食の構想を話す水谷義之さん(右)、福田尚登さん(中)、横井優樹さん=名古屋市昭和区の南山大で

■コロナ禍 オンライン増で窮地

 新型コロナウイルス禍でオンライン授業が多くなり、学生食堂(学食)の運営が窮地に陥った南山大(名古屋市)では新たなスタイルに挑戦する。学食内にケーキやプリンの工場直売所を設け、学生がインターンシップ(就業体験)で学食の広報を担うなどして地域住民も呼び込む考えだ。6月中旬をめどにオープンする「学生と地域の新レストラン」は、にぎわいを取り戻せるか―。(出口有紀)

 南山大の学食は計6カ所あり、給食事業者4社が運営していたが、コロナ禍で2020年に1社が撤退。休業を含め現在は3カ所が閉まったままだ。大学側はキッチンカーを構内に入れ、昼食に困らないよう努めているが、大学本部長の福田尚登(なおと)さん(59)は「学生が仲間と集まれる場所はつくらないといけない」と危機感を話す。

 キャンパスが繁華街にあれば学外からの集客を望めるが、南山大は住宅街にあり難しい。学食の業者に補助金を出して運営継続を図る大学もあるが、福田さんは「業者が集客の工夫をしなくなる心配がある」と考え、根本的な解決にはならないと断念。一方で、さまざまな業者に声を掛けたものの断られ続けてきた。

 窮余の策で頼ったのが、人文学部4年の横井優樹さん(22)。19年に就業体験仲介会社「好生館プロジェクト」(名古屋市)を設立した学生社長だ。横井さんは、起業時に助言を受けた飲食店などの運営会社「柳橋総合開発」(同)社長の水谷義之さん(54)に声を掛けた。

 水谷さんはケーキや高級プリンの製造販売会社「スイーツマジック」も手掛け、店舗などで販売している。学食で工場直売に乗り出せば、大学が閑散期でも、店舗や大学周辺の住民向けに販売を強化できると判断し、学食の運営を決めた。

 スイーツ以外の食事メニューも飲食店運営のノウハウを生かし、盛り付けなどの見栄えにもこだわる。唐揚げ盛り放題など、学生が楽しめる企画も考えている。400~800円ほどで提供し、地域住民の利用を見込み、これまではやっていなかった土曜日や夕食時の営業も検討。就業体験の学生とメニューを開発することも考えている。

 横井さんの会社も、学食を学生や地域住民に紹介する広報の就業体験機会を提供する。学食の閉鎖について、横井さんは「一学生としても何とかしたかった。学生に主体的に関わってもらう仕組みをつくり、愛される居場所にしたい」。水谷さんも「授業がなくても大学に来たくなり、住民も入りやすい学食にしたい」と意気込んでいる。

(2022年5月8日 中日新聞朝刊27面より)

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