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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2022.04.08

名大など開発 孤立感、負担軽減へ 認知症介護者の悩み アプリで語ろう

研究に参加する女性から、アプリの使い勝手を聞く後藤客員研究員(左)=昭和区の名古屋大医学部で

研究に参加する女性から、アプリの使い勝手を聞く後藤客員研究員(左)=昭和区の名古屋大医学部で

■患者への影響も調査 参加者募る

 認知症の家族の世話をする介護者同士がメッセージをやりとりして相談もできるスマートフォンのアプリ「私の介護」を、名古屋大などが開発した。バーチャル版の認知症カフェを目指し、介護者が徘徊(はいかい)や暴力など多様な症状への悩みや対処法を語り合い、介護の負担感を軽くするのが狙い。効果を見るための研究も始まっており、参加者たちが認知症の家族への接し方を変えることで、患者の症状を和らげられるかも調べる。(出口有紀)

 アプリには、複数の介護者が投稿し合えるチャット機能があり、「(認知症の家族に)車の運転をやめさせるには」など、共通の悩みを語れるスレッドを作ることができる。介護者も支援者も匿名のため、個人は特定されない。

 支援者としてケアマネジャーらも参加しており、専門職に質問ができるほか、認知症の知識を学べるコラムも掲載されている。

 認知症による徘徊や暴力などの症状は、介護者らの対応や働き掛けにより、良くなったり、悪くなったりする。ただ、介護者の中には、認知症の知識を持たないまま急に介護に直面し、誰にも相談できずに孤立感を深めている人も少なくない。

 アプリを開発した名大医学部の後藤康幸客員研究員(医療行政学)は「診療では主に患者の状態を見るが、それだけでは問題解決にはならない」と話す。介護者がアプリを通して必要な情報を得て、他の介護者らと悩みやノウハウを話し合えることで、負担を少なくできると考えた。

 効果を調べる研究に参加する三重県四日市市の40代女性は、認知症の80代の父を母とともに介護する。父から突然、暴言を受けることがあり、今後の症状の進行が不安になることも。「認知症のことを周りの人には聞きにくいし、認知症カフェも近くにない。そんな時に、アプリで相談し、いろいろと教えてもらえて不安が軽くなった」と話す。

 研究では、参加する介護者を30人まで増やし、介護の負担度が軽減するかどうかや患者への影響などを今秋まで調べる予定で、参加者を募集している。(問)名大医学部医療行政学教室=070(8985)5697

(2022年4月8日 中日新聞朝刊市民版より)

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