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学生活動  2021.11.18

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椙山女学園大・栃窪ゼミ 震災教訓伝え続ける

優秀賞受賞を受け、賞状などを手に喜ぶ栃窪ゼミの学生たち=千種区の椙山女学園大で

優秀賞受賞を受け、賞状などを手に喜ぶ栃窪ゼミの学生たち=千種区の椙山女学園大で

■「大川小 語り部10年」映像祭で優秀賞

 全国各地の優れたドキュメンタリー映像作品を顕彰する「第41回『地方の時代』映像祭2021」で、市民・学生・自治体部門の優秀賞に、椙山女学園大(千種区)の栃窪優二教授(67)=映像ジャーナリズム=とゼミ生が制作した作品「小さな命の意味~大川小 語り部10年」が選ばれた。ゼミ生たちは「受賞を機に教訓が多くの人に伝われば」と願う。 (梅田歳晴)

 作品は東日本大震災で被災した宮城県石巻市の旧大川小で、次女みずほさん=当時(12)=を亡くした語り部の佐藤敏郎さん(58)にスポットを当てた内容。栃窪ゼミは震災3年後から継続して取材を続けてきた。遺族の思いや教訓、未来へのメッセージを伝えている。

 ディレクターを務めた宇治原千尋さん(22)は「佐藤さんの思いも伝わるきっかけになるので、うれしい」。受賞の報を聞いた佐藤さんから栃窪教授にメールがあり、「素晴らしいですね」などと書かれていたという。ナレーターを担当した西川采実(あみ)さん(22)は「佐藤さんの思いが伝わるようにナレーションは感情的になりすぎないように気を付けた」と振り返った。

 部門には64作品の応募があり、そのうち優秀賞4作品と奨励賞6作品が入選した。栃窪ゼミは奨励賞の受賞実績はあったが、優秀賞は今回が初めて。ゼミ生の光田(こうた)早耶香さん(22)は「犠牲となった児童たちは私たちと同世代。制作を通じて震災の被害が身近に考えられるようになった」と言い、川本柚希実さん(22)は「先輩たちの積み重ねが評価されたのだと思う」と語った。

 栃窪教授は今月上旬にも単身で大川小の取材をし、震災遺構に整備された状況を映像に収めてきた。「長く取材してきたので、実際に映像作品を見てもらうことが重要だと思ってきた。市民メディアとしての役割が一定果たせた」と話した。作品は、動画投稿サイトユーチューブの椙山女学園大公式チャンネルで公開している。

(2021年11月18日 中日新聞朝刊市民版より)

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