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学生活動  2021.05.14

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「男」「女」固定観念取り払う 愛知淑徳大研究所 新たな学生組織

編集に携わったニュースレターを見ながら、ジェンダーについて話し合う学生と坂田所長(後方)=いずれも長久手市の愛知淑徳大「ジェンダー・女性学研究所」で

編集に携わったニュースレターを見ながら、ジェンダーについて話し合う学生と坂田所長(後方)=いずれも長久手市の愛知淑徳大「ジェンダー・女性学研究所」で

 愛知淑徳大ジェンダー・女性学研究所(長久手市)に新設されたユニークな学生組織「ステレオリムーブ課」が、ニュースレターの編集に携わるなど取り組みを始めている。参加するのは、高校までクラス名簿が男女混合で、同じデザインの体操服を着て育った世代。「男だから女だからこうあるべきだという固定観念(ステレオタイプ)を社会から取り払う(リムーブ)」のが狙いだ。 (西川侑里)

 研究所は1995年、同大が男女共学になるのを機に開所した。ジェンダーに関する研究所がある大学は、県内では同大だけ。年2回、教職員のメッセージなどを載せたニュースレターを学内外に送付してきた。

 昨年10月、学生主体の学びにつなげようと、編集を担う学生運営委員8人を公募。この学生たちがステレオリムーブ課の愛称も付けた。3月発行の最新刊には、ジェンダーをテーマにした映画鑑賞やイベント開催など手掛けてみたいことを記した。

 交流文化学部4年川端菜月さんは「同性を好きな同級生が何人もいた。自分へのご褒美に高級な化粧品を買う男友達もいる。性別にとらわれずに好きなことを楽しめるのが当たり前になってほしい」と参加への思いを語る。創造表現学部4年前畑朱里さんは、政治家の女性蔑視発言を「次々に飛び出す。驚いた」と話し、唯一の男性、人間情報学部2年羽生勇太さんは「自分は高校時代、漫画同好会で男一人だった。あくまでひと対ひと」と強調した。

 趣味でイラストを描くビジネス学部3年林桃歌さんは、同課のイメージキャラクター「にじもじゃ」を考案。カラフルなアフロヘアが特徴で、「人の内面に想像を巡らせてほしい」との願いを込めたといい、研究所のパンフレットやクリアファイルに早速使われた。

 坂田陽子所長(心理学部教授)は「女性は特に、就職活動や社会に出る中で理想とのギャップに打ちのめされそうになることが増えると思う。ここでの活動を通し、将来的に世間の固定観念にくじけない視点を身に付けてほしい」と語る。

 同課は今後、ネットでの情報発信も検討している。ニュースレターは学内のほか、長久手、日進市の図書館、名古屋YWCA(中区)、ウィルあいち(東区)などに置かれている。

(2021年5月14日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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