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お知らせ  2020.09.09

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至学館大 全学生にPCR 今月下旬から 1600人、定期的に

至学館大が検査で活用する「リアルタイムPCRシステム」

至学館大が検査で活用する「リアルタイムPCRシステム」

 新型コロナウイルスの感染対策で、至学館大(愛知県大府市)が全ての学生や大学院生約1600人を対象に定期的なPCR検査を始めることが分かった。感染拡大の芽を事前に摘むことで、授業や部活動といった学生生活を可能な限り通常通りに送れるようにするのが狙い。後期の授業が始まる24日から実施する予定で、検査を積極活用した取り組みとして注目を集めそうだ。(白名正和)

■対外活動活発、不安除く

 同大によると、検査は大学で保有する実験用の「リアルタイムPCRシステム」1台を活用する。検体は唾液。想定では、1週間に200人の検査を実施し、開始から2カ月かけて学生や大学院生の全員を検査する。その後も、約2カ月おきに検査を受けてもらう。

 同大は五輪3連覇などを達成した吉田沙保里さんがかつて所属し、現在は指導にあたる女子レスリング部をはじめ、スポーツの部活動が盛んで、学外での試合や強化合宿を行うことが少なくない。スポーツ以外でも、小中学校や幼稚園の教員になるための学部があり、実習などで学外に出向く機会も多いという。検査では、部活動や教育実習などで外部に出る必要のある学生らの優先枠を設ける。

 当面の間、検査費用は大学が全額を負担。分析作業は感染防止対策を徹底した上で、機器の操作に熟練した研究者が担当する。

 谷岡郁子学長は「ウイルスを学内に持ち込まず、学内からも持ち出さないことが狙い。全員への検査を行うことで、大学に関わる全ての人の不安を取り除くことができ、本来送れたはずの学生生活を提供できる」と説明。全員を対象にするのは、無症状者を含めた感染者の実態をデータとして把握し、コロナ対策につなげる狙いもあるという。

 大学として検査を強制することはしない方針。検査で陽性となった学生らは、保健所が実施する行政検査を改めて受けてもらう。

 至学館大によると、医学部や大学病院のない大学が全学生を対象に独自の定期検査を実施するのは珍しい。大学内の感染防止策を巡っては、クラスター(感染者集団)が今春に発生した京都産業大(京都市)が今月、必要な学生を対象としたPCR検査センターを10月に学内に設置すると発表。大阪市立大も学生と教職員の全員を対象に抗原検査の実施を検討している。

(2020年9月9日 中日新聞朝刊市民版より)

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