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お知らせ  2019.12.23

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リハビリの母 66歳の留学 マレーシアのザリハさん 藤田医科大へ 高齢者ケア研究 「学生」も満喫

日本での生活について語るザリハさん(左)と夫のザイードさん=愛知県豊明市の藤田医科大で

日本での生活について語るザリハさん(左)と夫のザイードさん=愛知県豊明市の藤田医科大で

 マレーシアで「リハビリの母」と呼ばれた専門医の女性が、藤田医科大(愛知県豊明市)の医学研究科リハビリテーション講座で学んでいる。国際リハビリテーション医学会会長を務めたザリハ・オマールさん(66)=名古屋市緑区。3人の子どもと2人の孫がおり、日本での博士号取得を目指している。 (平木友見子)

 マレーシアで最難関とされるマラヤ大を1979年に卒業したザリハさんがリハビリテーション医学の道に進んだのは、学長の勧めから。当時、同国ではリハビリが一般的ではなく、新しい分野を開拓しようと英国に3年間留学した。

 帰国後、マラヤ大でただ一人のリハビリ専門医として講義を受け持つ傍ら、地域に住む患者の家を学生と回り、診療を行った。患者の治療やリハビリに当たりながら学生たちを教え、育てた療法士などは100人を超える。その成果から「リハビリテーションの母と呼ばれている」と笑顔で話す。

 転機は53歳のとき。約30年勤務した大学を早期退職し、2016年には国際リハビリテーション医学会の会長を務めた。国内外での研究を続ける中で、高齢化が進む日本への留学を決意し、藤田医科大の才藤栄一学長と学会などで親交を深めていたことから、今年4月に入学した。

 来日には、家庭医をしていた夫ザイード・アブドゥッラーさん(65)も仕事を辞めて同行。ザリハさんは高齢者の地域包括ケアを研究する一方で、20代や30代の同級生と卓球やピザパーティーを楽しむなど、学生生活も満喫している。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構の統計によると、人口に占める65歳以上の割合を示すマレーシアの高齢化率は、15年で5.9%。日本の26.0%に比べて低く、国民に若い世代が多い。

 藤田医科大病院では患者がロボットを使ったリハビリを行い、そのデータを研究に生かしている。ザリハさんは「臨床と研究が両輪で回るシステムは世界でも珍しく、とても勉強になる」と留学に手応えを感じ、「博士号取得後は日本とマレーシアに半分ずつ住みながら、世界中でリハビリ医学を教えていきたい」と語った。

(2019年12月22日 中日新聞夕刊9面より)

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