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お知らせ  2019.10.29

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文化勲章に吉野さんら 功労者は大林監督ら

文化勲章受章が決まり心境を語る旭化成名誉フェローの吉野彰さん=東京都千代田区で

文化勲章受章が決まり心境を語る旭化成名誉フェローの吉野彰さん=東京都千代田区で

 政府は29日、2019年度の文化勲章をノーベル化学賞に決まった電気化学の吉野彰(71)=中日文化賞受賞、狂言の野村萬(89)、政治学の佐々木毅(77)、写真の田沼武能(たけよし)(90)、数理工学の甘利俊一(83)、免疫学の坂口志文(しもん)(68)=同賞受賞=の6氏に贈ることを決めた。文化功労者には映画の大林宣彦(81)、漫画の萩尾望都(もと)(70)、歌舞伎の坂東玉三郎(69)、メディア芸術(ゲーム)の宮本茂(66)ら21氏を選んだ。吉野氏も文化勲章と同時に選ばれた。

 令和初となる文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は5日に東京都内のホテルで開かれる。

■吉野さん 今までと重み異なる

 スマートフォンやノートパソコンに使われるリチウムイオン電池の開発に貢献した。今年、受賞が決まったノーベル化学賞のように、これまでは科学技術を前進させたことに対して賞をもらうことがほとんどだった。今回の文化勲章に関しては「文化全般への貢献が評価され、今までと重みが異なる。責任も増した」と気を引き締めた。

 1972年、旭化成工業(現・旭化成)に入社。取り組んだ研究は失敗続きだったが、4つ目のテーマとなったリチウムイオン電池で成果を上げた。開発には多くの仲間が関わったといい「私一人が受け取るが、彼らの力があって今日に至った」と感謝する。

 今後も旭化成や、教授を務める名城大で若手に助言していく考えだ。「(実験の)生データから遠ざかるとさび付き、時代遅れになる。自分で実験するわけではないが、これからもデータに接するようにしたい」

(2019年10月29日 中日新聞夕刊1面より)

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