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2010.04.07
保育者の視点で 高田短大生が『ノート』記録
津市一身田豊野、高田短大子ども学科の学生たちが、日常生活で出会った子どもや親たちに目を向け、記録する取り組みを続けている。保育士や幼稚園教諭の“卵”たちがつづったユニークな「子ども発見ノート」は、保育への「気づき」や「思い」であふれている。(渡辺泰之)
■子どもの行動を観察
1年生の女子学生が1月に取り上げたのは、コンビニのバイト先での出来事。兄をまねてガムを買おうとした弟が母にダメだと言われ、泣いてしまい、それを兄が慰めていた場面だ。
「弟は兄にあこがれて同じものを欲しがっているのでは」「弟は自己主張が出てきている」などと分析。その上で、自分が保育をする状況を想定し、「母が弟の方を気にしていたので兄が少し寂しそうにしているようにも感じた。保育者としてその気持ちを受け止めたい」とつづった。
「子ども発見ノート」には、エピソードの日時や詳しい内容、考察を記すことがルールだ。アルバイト先や通学途中などどんな場面を取り上げても良い。
■保育学習に高い効果
高田短大が、このノートを導入したのは1998年。その後、中断した時期もあったが、2009年度に再開し、155人が「保健原理」の授業の一環で取り組んだ。自分で用意した小さなノートには女子大生らしく表紙にイラストを描いたものも交じる。
子ども学科の山崎征子教授は「日常の場面では子どもの姿や親子関係が赤裸々に出る。そこに目を向けることで子どもの心のメッセージを受け取る力を養うことができる」と、ノートの効用を話す。
「もちろん最初から深い分析ができる訳ではない」と山崎教授が言うように、入学直後は「うれしそうに食べていた」「かわいい」などと表面的な記述が多い。しかし、次第に「気づき」がみられるようになるという。
別の女子学生はレストランでスープを手で触ったり、ご飯を入れたりと遊びながら食べる様子を目撃。母親は注意もしなかったという。
学生は、幼児期に起こる、この特有の行動に着目。「食べる事に興味を持ち始めた証拠。少しは見ていてもいいが、ずっとしているなら親がしっかり注意をしたり、食器をさげさせるべきだ」と深い考察を添えた。
同学科は効果が高いとして、これまで1年生だけだった取り組みを、4月から2年生でも継続。山崎教授らは5月に愛媛県松山市で開かれる保育学会で成果を発表する。
(2010年4月7日 中日新聞朝刊津市民版より)
■子どもの行動を観察
1年生の女子学生が1月に取り上げたのは、コンビニのバイト先での出来事。兄をまねてガムを買おうとした弟が母にダメだと言われ、泣いてしまい、それを兄が慰めていた場面だ。
「弟は兄にあこがれて同じものを欲しがっているのでは」「弟は自己主張が出てきている」などと分析。その上で、自分が保育をする状況を想定し、「母が弟の方を気にしていたので兄が少し寂しそうにしているようにも感じた。保育者としてその気持ちを受け止めたい」とつづった。
「子ども発見ノート」には、エピソードの日時や詳しい内容、考察を記すことがルールだ。アルバイト先や通学途中などどんな場面を取り上げても良い。
■保育学習に高い効果
高田短大が、このノートを導入したのは1998年。その後、中断した時期もあったが、2009年度に再開し、155人が「保健原理」の授業の一環で取り組んだ。自分で用意した小さなノートには女子大生らしく表紙にイラストを描いたものも交じる。
子ども学科の山崎征子教授は「日常の場面では子どもの姿や親子関係が赤裸々に出る。そこに目を向けることで子どもの心のメッセージを受け取る力を養うことができる」と、ノートの効用を話す。
「もちろん最初から深い分析ができる訳ではない」と山崎教授が言うように、入学直後は「うれしそうに食べていた」「かわいい」などと表面的な記述が多い。しかし、次第に「気づき」がみられるようになるという。
別の女子学生はレストランでスープを手で触ったり、ご飯を入れたりと遊びながら食べる様子を目撃。母親は注意もしなかったという。
学生は、幼児期に起こる、この特有の行動に着目。「食べる事に興味を持ち始めた証拠。少しは見ていてもいいが、ずっとしているなら親がしっかり注意をしたり、食器をさげさせるべきだ」と深い考察を添えた。
同学科は効果が高いとして、これまで1年生だけだった取り組みを、4月から2年生でも継続。山崎教授らは5月に愛媛県松山市で開かれる保育学会で成果を発表する。
(2010年4月7日 中日新聞朝刊津市民版より)