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大学野球  2019.04.06

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愛知大学野球 春季リーグ きょう開幕 愛工大平井監督1部に新風

練習で指導する愛工大の平井光親監督(右)=愛知県豊田市の同校グラウンドで

練習で指導する愛工大の平井光親監督(右)=愛知県豊田市の同校グラウンドで

 愛知大学野球春季リーグ戦(中日スポーツ後援)が6日に開幕する。14季ぶりに1部へ復帰する愛工大は、1991年にロッテで首位打者になった同校OBの平井光親監督(52)が率いる。また、1部6校には163人が入学。昨秋優勝の名城大には身長180センチの大型右腕・横尾虎之介投手(上田西)が入部した。

■自信と不安が半々

 14季ぶりに1部に登場し、6日の開幕戦で名城大と対戦する愛工大。2017年1月に就任した平井監督にとって、初めての1部での采配となる。正直な胸の内をこう明かした。
 「自信と不安が半分半分ですね」。チーム作りには手応えも感じており、「ここまで想定通りのステップが踏めた。ウチは突出した選手がいないので、全員で戦っていきます」と意気込む。
 プロで首位打者を獲得した経験を持つだけに、指導は打撃が主かと思われがち。しかし、平井監督が特に重要視するのは守備と走塁。機動力と堅守を第一に考える根底には、プロとしての歩みを始めた時に授かった教えがあるという。
 「ロッテに入団して初めて迎えた鹿児島・鴨池キャンプで、当時のコーチに言われたんですよ。『守備とバントにはスランプがない』『やればやるほどうまくなる』って…。今もその教えが身についているんです」
 打撃が「水物」なのは十分すぎるほど知っている。だからこそ、勝つ確率を高める練習をする。部員を数班に分け、打撃練習の時は打っていない選手を塁につけて走塁練習を行う。バント処理やけん制など守備の基本にも多くの時間を割く。「無駄に時間を過ごすのは損じゃないですか…」。言葉には元プロの実感がこもる。
 チームの中心はエース左腕の中村(4年・九州国際大付)。3年生右腕の新村(愛知・桜丘)にも期待し、1年生も昨夏の甲子園に出場した愛工大名電(愛知)の後藤や室田、高知商の近沢らの起用にめどを立てた。
 「開幕カードで勝ち点を挙げれば、チームは乗ってくるんじゃないかなと思います」。17度の1部リーグ優勝、明治神宮大会優勝という伝統を持つチームの新たな歩みが始まる。 (川越亮太)

 ▼平井光親(ひらい・みつちか) 1966(昭和41)年11月8日生まれ、福岡県志免町出身の52歳。東福岡高から愛工大に進み、在学中は1部で5度優勝。2年秋には明治神宮大会でも優勝した。88年秋のドラフトでロッテから6位指名された。91年に打率3割1分4厘でパ・リーグの首位打者となり、ベストナインにも選ばれた。2002年限りで引退。ロッテの編成担当や2軍打撃コーチ補佐などを務めた後、17年1月に愛工大の監督に就任した。

(2019年4月6日 中日スポーツ9面より)

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